今回は日本語JIS配列の「Barocco Mistel MD750 Delight JIS / THE ROCK」をレビューします。
日本語配列モデルのメカニカルキーボードが増えてきている中、このMD750 Delight JISも気になっていたので、今回レビュー出来ることを嬉しく思います。
Mistel (ミステル) 社は、2016年に設立された台湾のキーボードメーカーで、BaroccoというのはMistelの中のシリーズ名のひとつです。そして昨年2024年9月から Princeton (プリンストン) が日本国内での販売をしているという状況です。
MD750 Delight JISは2025年5月30日から国内販売されている75%レイアウト日本語JIS配列のメカニカルキーボードです。スイッチはGATERON社とOutemu社のスイッチから選択できます。
通常モデル18,900円、静音スイッチモデルのみ19,800円という価格なので、ぎりぎりミドルクラスです。決して安いキーボードではないので、選択肢には入っても迷う方が多いのではないでしょうか。
本レビューではリニアタイプの GATERON G Pro 3.0 (Red) モデルを提供していただきましたが、Outemu Cream Yellow Pro 静音スイッチモデルの人気が高いようです。たまたまOutemu Cream Yellow Pro V2 スイッチをAmazonで購入したところだったので、こちらの静音スイッチも含めてレビューしたいと思います。
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MD750 Delight JIS 仕様一覧と主な特徴
製品仕様はPrincetonの製品ページに掲載されていたものに、独自に内容を加えたものになっています。
| 製品名 | Barocco Mistel MD750 Delight JIS |
|---|---|
| ケース素材 | ABS |
| 構造 | ガスケットマウント(プレート) |
| 接続方法 | 有線 USB / 無線2.4GHzドングル / 無線 Bluetooth 5.0 |
| 技適認証 | 〇 |
| キー配列 | 日本語 JIS |
| キー数 | 86キー 1.2インチLCDスクリーン アルミニウムノブ (CNC削り出し) |
| キーキャップ | グレー、PBT素材 |
| キー印字 | 黒色 (昇華印字) |
| キースイッチ | Gateron G Pro 3.0 (Brown, Blue, Red) / Outemu Cream Yellow Pro (静音) |
| バックライト | 〇 |
| ホットスワップ | 〇 Cherry MX互換スイッチ 3pin, 5pinに対応 |
| マクロ機能 | × |
| ポーリングレート | USB & 2.4GHz 1,000Hz / Bluetooth 125Hz |
| Nキー ロールオーバー | 〇 |
| メディアキー | 〇 |
| バッテリー | 4,000mAh |
| 本体サイズ | W331 x D145 x H38mm ケース前方の高さ:22.9mm、後方の高さ:約29.0mm (※ゴム足含む実測値) |
| 重量 | 約870g |
| 対応OS | Windows 11 / 10、macOS |
| 付属品 | キーボード本体 x 1 2.4GHzドングル USBケーブル (Type-A to C 180cm) x 1 Mistelキープラー (キースイッチ&キーキャップ取り外し工具) x 1 交換用キーキャップ (赤色/印字黒色,昇華印刷):ESC、矢印 (上下左右) x 各1 ※マニュアルはウェブで確認(https://www.princeton.co.jp/product/accessory/mlmd750dj.html) ※交換用キースイッチは付属しません |
| 保証期間 | 1年保証 |
- 75%レイアウト(ナビゲーションキー独立タイプ)
- 日本語JIS配列、86キー
- 1.2インチLCDスクリーンとアルミニウムノブ付きでライティング設定等ができる
- スイッチの選択肢が豊富 Gateron G Pro 3.0 (Brown, Blue, Red) / Outemu Cream Yellow Pro
- ガスケットマウント、静音フォーム
- 衝撃の少ない打鍵感・静かな打鍵音
- 3モード接続対応(技適認証取得済み、2.4Gドングル収納あり)
開封してすぐにテストタイピングをしてみたところ、思った以上に打鍵感・打鍵音が良いという印象が強いです。
ケース素材はABS樹脂ですが、キースイッチ・キーキャップの組み合わせや、フレックスカットされた柔らかいスイッチプレートがガスケットマウントされていたり、Poronフォームや厚めのボトムシリコンなど静音フォームもしっかりしているため、非常にバランスの取れた構成になっていました。
詳しくは各項目の箇所で解説します。
外観・デザイン
ブラックのABSケースにグレーのキーキャップという渋い組み合わせ。ケースの角は丸みが少なくKeychron V1 Maxに似ている形状で、男性向けのカッコイイ系デザインにまとまっています。
デフォルトキーキャップには「かな印字」があり、The Rockという名前からも岩のようなイメージが伝わってきます。付属する交換用の赤いキーキャップが良いアクセントになっています。シンプルなデザインなので、キーキャップ交換することでガラッと雰囲気は変わると思います。
日本語JIS配列 / 75%レイアウト・86キーとコンパクトなサイズ感。ナビゲーションキーが独立しているタイプで非常に使いやすいです。この独立しているタイプは、Enterや方向キー入力時に誤打が少なく、個人的には一番好きなレイアウトです。
ただ、75%レイアウトで日本語配列を実現しようとすると、色々と無理が生じてしまうのですが、このMD750 Delight JISも以下の3点が少し気になるところ。
- 左Shiftキーが2uサイズ(Z行が0.25u分ズレているが、個人的にはそこまで気にならない)
- 右Shiftキーが1uサイズ(物によってはEndの位置になっている配列も見かける)
- 1uサイズのBackspaceキー(日本語配列でありがち)
Lofree Flow Lite JISでも同じような懸念点がありましたが、現状ではこのレイアウトがベストなところだと思います。80%レイアウトだとBackspace以外は解消されるので、個人的には80%レイアウトも出してほしいと言いたいところですが、75%レイアウトの方が人気ですからね…
キーキャップはDye-Sub(昇華印刷) PBTで、厚みは1.4mm~1.5mmと標準的です。
Mac用にCmdキーなどはサイドプリントされているため、Windows / Mac の両対応キーキャップとなっています。

1.2インチLCDスクリーンは視認性が高く、デフォルトの時計表示も見やすいです。そしてアルミニウムノブとの連携によって、ショートカットを使わなくてもライティング各種・ボリューム調整・システム変更ができるのも便利です。

こちらのコネクタとスイッチは、ノブの奥側にまとまっています。3モード(USB有線 / 2.4GHz / Bluetooth 5.0ワイヤレス)対応で、Bluetoothは3台のデバイスを登録(Fn+1 / 2 / 3)できるので、使用環境に合わせて利用できます。また、技適認証も取得されているため、国内でのワイヤレス接続利用も安心です。
キーボード背面はボトムプレートなどは無くシンプルなデザイン。2.4Gドングル収納と2段階キックスタンドが付いています。また中央の銘板には技適認証マーク・番号が記載されています。
キックスタンドを閉じた状態だと傾斜が緩いので、キックスタンドを使った方がタイピングしやすいです。
参考:寸法からタイピングアングルを計算
- キックスタンドなし:約2.5°
- キックスタンド1段目:約5.5°
- キックスタンド2段目:約8.0°
内部構造
公式サイト等で確認しても、内部構造について詳しく記載されていなかったので、ABSケースですが分解して確認してみました。
背面はネジ止めされているので簡単に開けることは出来るのですが、プラスチック系キーボードの分解はオススメしません。
実際、今回キーボードの一部パーツが欠けてしまいました…💧結構重要なパーツだったので悲しすぎます。
気を取り直して、内部構造を見ていきましょう。
ケースを開けるとスイッチユニット一式が見えます。スイッチプレート素材は公式仕様に記載されていませんでしたが、見た感じフレックスカットPCプレートのようです。
スタビライザーはしっかりとルブされているため、金属音など異音がすることはなく、大きいサイズのキーもキレイな音です。また、スペースバー配下にもフォームが敷き詰められて静音処理されていました。
ガスケットマウント
ガスケットマウントについては、Poronガスケットがボトムケース各所に仕込まれていて、そこにPCプレートがマウントされているため、打鍵時の衝撃をしっかりと吸収してくれます。
静音フォーム

スイッチプレートとPCBの間にはサンドウィッチフォームが入っていました。PCB裏からネジ止めされているため、ズレ動くことはありません。
ただ、ケースを壊してしまったことで、これ以上分解する気が失せてしまい、ネジを1つだけ外して隙間から確認しました。
IXPEスイッチパッドとPoronフォームは目視で確認できましたが、PETフィルムが入っているかは分かりませんでした(Poronフォームに貼り付いているフィルムは確認できた)。

PCBボトム側にはPCBフォームとシリコンボトムが敷かれていました。シリコンボトムはかなり厚みがあり静音効果が高いと思います。
バッテリー容量は4000mAhとなっています。
キースイッチ
キースイッチは、Gateron G Pro 3.0 (Brown, Blue, Red) / Outemu Cream Yellow Pro (静音) の4種類から選択できます。
Gateron G Pro 3.0というと、Keychronのキーボードでも採用されていた鉄板スイッチです。また、静音タクタイルの Outemu Cream Yellow Pro は、MD750 Delight JIS の中で一番人気らしいです。この2つのスイッチをメインにレビューします。まずは4種類のスイッチの仕様を見てみましょう。
キースイッチ 仕様一覧
| Gateron G Pro 3.0 Red | Gateron G Pro 3.0 Brown | Gateron G Pro 3.0 Blue | |
|---|---|---|---|
| タイプ | リニア、3ピン | タクタイル、3ピン | クリッキー、3ピン |
| 作動フォース | 45 ± 15gf | 55 ± 15gf | 60 ± 15gf |
| プリトラベル | 2.0 ± 0.6mm | 2.0 ± 0.6mm | 2.3 ± 0.6mm |
| 総トラベル | 4.0mm Max | 4.0mm Max | 4.0mm Max |
| エンドフォース | 50gf | 50gf | 60gf |
| スプリング | 20.5mm | 20.5mm | 15.4mm |
| ステム | POM | POM | POM |
| ハウジング | PC(トップ)/ ナイロン(ボトム) | PC(トップ)/ ナイロン(ボトム) | PC(トップ)/ ナイロン(ボトム) |
| SMD LED Support | 対応 | 対応 | 対応 |
| 耐久 | 最大 1億回 | 最大 1億回 | 最大 8千万回 |
| ファクトリールブ | 〇 | 〇 | 〇 |
Outemu Cream Yellow Pro V2の仕様については、作動フォースについて45gfだったり50gf、50cNと表記されているところがありました。Mistel公式サイトに掲載されているものを元にし、足りない情報はアリエクなどの情報を参考にまとめました。
| 項目 | Outemu Cream Yellow Pro(静音) |
|---|---|
| タイプ | 静音タクタイル、5ピン |
| 作動フォース | 50 ± 10gf |
| プリトラベル | 2.0 ± 0.6mm |
| 総トラベル | 3.3mm |
| タクタイルフォース | 45 ± 10gf |
| タクタイルトラベル | 0.7mm |
| 初動フォース | 30gf Min |
| エンドフォース | 65gf Max |
| スプリング | シングルステージ 18mm(分解 実測値: 14mm) |
| ファクトリールブ | 〇 |
| ステム素材 | POM |
| ハウジング素材 | ナイロン |
GATERON G Pro 3.0 (Red)
GATERON G Pro 3.0 (Red) と聞くと、少し古いスイッチのようにも思いますが、最近増えてきているクリーミー・スムーズ系とは違い、切れの良い打鍵感と、底打ち後のリバウンドまで含め、全体的に軽快に感じられる打鍵感です。
打鍵音は「カタカタ」とした小さめの音で、オフィスや配信環境でも扱いやすい落ち着いたサウンドです。
スペックはアクチュエーション45gf・作動トラベル2.0mm・総トラベル4.0mmと、やや深めの設計ですが、タイピングメインで考えると標準スイッチとして絶妙なバランスだと思います。
もっと重厚感のあるコトコト系の方が好みという方も多いかもしれませんが、久々に GATERON G Pro 3.0 (Red) を使ってみて、このライトな感覚もやっぱり良いですね。Keychron K8 ProやV1 Maxを会社のメインキーボードとして使っていた時期があり、一際思い入れがあるからかもしれませんね。
Outemu Cream Yellow Pro V2 (静音)
Outemu Cream Yellow Pro V2は、静音スイッチとしては珍しい「タクタイル」です。いつもリニアを使うことが多いので、タクタイルのクリック感(バンプ、山)が新鮮な感じでした。バンプがあることでタイプミスが軽減されるというメリットもあります。

静音スイッチはメーカーによってステムの仕掛けが異なるため、分解して構造確認をしたところ、ステムガイド部分の上下にシリコンのようなショック吸収材が施されているタイプのようです。大きめの吸収材が付いているので、シリコン感強めかなと思ったら、それほどシリコン感は強くないというか、フワッとした感覚と言った方が正しいかもしれません。
そして打鍵音はほぼ聞こえないくらいの、しっかりとした静音タイプになっていました。
タクタイルのバンプは軽めで、滑らかなストロークで若干スコスコっとした感じです。(※カサカサと擦れるような感じはありませんでした)
静音スイッチは好き嫌いハッキリわかれてしまうと思いますが、「3.3mm ショートストローク+滑らか+軽めのバンプ」はハードタイピスト(特に早めのタイピングをする方)にも好まれると思います。
Mistelの公式サイトでは「Outemu Cream Yellow Pro」と書かれていて、Amazonで購入した際の商品名は「Pro V2」という表記でした。
色々と調べてみたところ、無印の「Outemu Cream Yellow」が「V1」で、「Pro」=「V2」ということらしいです。
各種設定等について
MD750 Delight JISには、VIAやメーカー製ドライバーソフトはありません。そのため、キーリマップやマクロ設定は非対応で、ショートカットやノブでの設定のみとなります。正直ここについては残念なところだと思います。どうしてもリマップしたりしたい場合は、WindowsではAutoHotKey、Macの場合はKarabiner Elements等を使うことになります。
その他、各種設定についてはマニュアルをご確認ください。かなり丁寧で分かりやすいマニュアルになっています。製品ページの下の方に「マニュアル・製品資料他」というタブがあるので、そちらからご覧ください。
また、LCDスクリーンの日付や時間がズレてしまった場合は、Mistel公式サイトのページ上部に「SYNC-TIMER DOWNLOAD」というリンクからソフトウェアをダウンロードできるので、インストールして合わせることができます。
※試してみたところ、最初は同期されずに???となってしまいましたが、ソフトを起動した後にUSBケーブルを抜き差ししてスタートしてみたら同期されました。
まとめ
| メリット |
|---|
| コンパクトな75%サイズで日本語JIS配列 ナビゲーションキー独立タイプが使いやすい LCDスクリーン+ノブで直感操作可能 ABSケースながらもガスケット・静音フォームによる静音設計 軽快な打鍵感、カタカタ系の静かな打鍵音 静音タクタイルスイッチが新鮮な感覚 |
| デメリット |
|---|
| 1uサイズのBackspaceと右Shiftキーは慣れが必要 ドライバーソフトなし |
Mistel MD750 Delight JIS を実際に使ってみた印象としては、軽快で静かなタイピング感覚とコンパクトなサイズ感による取り回しの良さが際立っていました。
個人的に一番好きな75%レイアウト(ナビゲーションキー独立タイプ)にLCDスクリーン+ノブという構成により、「コンパクトさ」と「使い勝手の良さ」を両立した一台です。
ユーザー層としては、タイピングメインで使いたい方にオススメしたいキーボードです。
Gateron G Pro 3.0 は打鍵音は然程大きくないので、通常のオフィス使用であれば問題ないと思います。ただ、本当に静かにしないといけない環境だったり、静音でないと無理という方は、静音タクタイルの Outemu Cream Yellow Pro が選択できるので安心です。
最後に追加コンテンツとして、75%レイアウト・日本語JIS配列の他社製キーボードも探してみました。ページ下部をご覧ください。
やはり日本語配列だと80%TKLやフルサイズが多く、75%レイアウトは選択肢が少ない状況です。そのような中で MD750 Delight JIS は、ドライバーソフト無しという点を踏まえても、18,900円という価格と打鍵感やビルドなど含めた全体的な完成度の高さから有力候補になると感じました。
下記リンク先はプリンストン公式の販売先をまとめました。
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おまけ(Amazonで購入できる75%レイアウト 日本語JIS配列)
今回は日本語配列として「ろ」キーなどが省略されているもの、ホットスワップ非対応のものは除外しています。
3モード接続対応はKeychronだけです。






































