IQUNIX EV63は、コンパクトな60%レイアウトながら、アルミケース・高品質なフォーム構成・8Kポーリング対応など、ゲーミングキーボードとしても普段使い用キーボードとしてもトップレベルの磁気スイッチ対応のHEゲーミングキーボードです。
前回レビューした「IQUNIX EV63 Ghost in the Shell Edition」ではKeytok Novaスイッチを搭載したモデルを使用しましたが、EV63には通常モデル向けにMagnetic X Pro / Magnetic X Ultraも用意されています。
今回はKeytok Nova / Magnetic X Pro / Magnetic X Ultraの3種類を実際に打ち比べることができたので、スペック・打鍵感・打鍵音・選び方を比較していきます。
どのスイッチも高い完成度ですが、実際に使ってみると音の方向性や打鍵感に違いがありました。EV63を検討していて、どのスイッチを選ぶか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
実際のゲームプレイでの細かな使用感というより、
今回は3種類のスイッチの違いにフォーカスして見ていきます。
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以前の動画は非公開にしました。
EV63のスイッチスペック比較



まずは、EV63で選択できる3種類のスイッチスペックを比較してみます。
| 項目 | Keytok Nova | Magnetic X Pro | Magnetic X Ultra |
|---|---|---|---|
| スイッチタイプ | リニア | リニア | リニア |
| 初期押下圧 | 35±5gf | 36±10gf | 36±10gf |
| ボトム圧 | 48±5gf | 48±10gf | 48±10gf |
| 総トラベル | 3.4±0.05mm | 3.5±0.2mm | 3.5±0.2mm |
| 初期磁束 | 100±5Gs | 130±15Gs | 140±15Gs |
| ボトム磁束 | 480±20Gs | 735±80Gs | 780±80Gs |
| 素材 | ステム:PA12 トップハウジング:PC マグネットスリーブ:POM ボトムハウジング:PA12 | ー | ー |
| 潤滑 | ファクトリールブ済み | ファクトリールブ済み | ファクトリールブ済み |
| 寿命 | 1億回以上 | 1億回以上 | 1億回以上 |
| 主な傾向 | マイルドで落ち着いた 打鍵感・打鍵音 | 明瞭さとコト感のバランス型 | よりシャープでゲーミング寄り |
スペックだけを見ると、3種類とも押下圧はかなり近いです。
Keytok Novaは初期押下圧35±5gf、ボトム圧48±5gf。
Magnetic X Pro / Magnetic X Ultraはどちらも初期押下圧36±10gf、ボトム圧48±10gfとなっていて、数値上の重さに大きな差はないようです。
一方で、磁束量には違いがあります。
Keytok Novaは初期磁束100±5Gs、ボトム磁束480±20Gs。
それに対して、Magnetic X Proは初期磁束130±15Gs、ボトム磁束735±80Gs。
Magnetic X Ultraは初期磁束140±15Gs、ボトム磁束780±80Gsとなっていて、X Pro / X Ultraの方が高い数値です。
磁束量は入力検知の安定性や信号精度に関わるスペックとして見ておくのがよさそうです。
特にX Ultraは3種類の中でも磁束量が最も高く、より精細な入力検知やキビキビした反応を狙った、ゲーミング寄りのスイッチとなっています。
ただし、磁束量が高いからといって、それだけで打鍵感や打鍵音が良くなるわけではありません。
あくまで入力検知に関わるスペックのひとつとして見つつ、実際の選び方は打鍵感・打鍵音・用途まで含めて考えるのがおすすめです。
打鍵感・打鍵音の比較
ここからは、Keytok Nova / Magnetic X Pro / Magnetic X Ultraの打鍵感・打鍵音を比較していきます。
EV63はCNCアルミケース、アルミプレート、複数のフォーム構成を採用していて、スイッチ単体だけでなくキーボード全体の設計も打鍵感・打鍵音に大きく影響しています。
そのうえで3種類を打ち比べてみると以下のような印象でした。
Nova:マイルドで落ち着いた方向
X Pro:明瞭さとコト感のバランス型
X Ultra:よりシャープでゲーミング寄り
以前の動画は非公開にしました。
比較表
| 項目 | Keytok Nova | Magnetic X Pro | Magnetic X Ultra |
|---|---|---|---|
| 打鍵感 | ・マイルドで扱いやすい ・底打ちも柔らかめ ・磁気スイッチ特有の硬さやノイズ感が少ない | ・磁気スイッチらしいスッとした押し始めと滑らかなストローク ・X Ultraより少しマイルド | ・X Proに近いが、よりシャープ ・底打ちの輪郭もハッキリ |
| 打鍵音 | ・音量控えめ ・角が立ちすぎないコトコト寄り | ・Novaより明瞭で音量が大きい ・X Ultraより少し太く、コト感あり | ・X Proよりキレがありシャープ、ほんの少し音量が大きい ・わずかなカシャつきあり |
| 音の方向性 | 控えめで落ち着いた音 | 明瞭さと丸みのバランスが良い音 | シャープで立ち上がりの速い音 |
| 擬音表現 | コトコト | 少し丸みが感じられる カタカタ、パチパチ | カタカタ、パチパチ |
| オススメの方 | 普段使いしやすい落ち着いたスイッチを選びたい人 | 打鍵感・打鍵音のバランスを重視したい人 | ゲーミング寄りのキレやシャープさを求める人 |
Keytok Nova

Keytok Novaは、3種類の中ではもっともマイルドで落ち着いた印象のスイッチです。
打鍵感はかなり扱いやすく、押し始めから底打ちまでスムーズ。
磁気スイッチらしいリニアな押し心地はありつつ、底打ちが硬く出すぎないので、普段メカニカルキーボードを使っている人でも違和感は少ないと思います。
Novaの素材構成やステムとマグネットスリーブが分離した構造を採用している点からも、音が前に出すぎず、比較的おとなしい打鍵音にまとまっています。
磁気スイッチで気になりやすいカチャカチャしたノイズ感も少なく、全体的にマイルドです。
打鍵音は「カタカタ」よりも「コトコト」寄り。
音量も3種類の中では控えめで、タイピング時の耳当たりも優しく感じました。
気になる点を挙げるとすれば、X ProやX Ultraと比べると音の明瞭さやキレは控えめです。
そのため、ゲーミング向けらしいシャープな打鍵感を求める場合は、物足りなさを感じるかもしれません。
一方で、普段使いも含めてEV63を使いたい人には、Novaはかなり選びやすいスイッチです。
落ち着いた打鍵音やマイルドな底打ち感で普段使いを重視するなら、Novaが一番扱いやすい
👆スイッチ単体販売もされていて、日本語国内ではDIGIARTが取り扱っています。
Magnetic X Pro

Magnetic X Proは、Novaよりも打鍵感・打鍵音の輪郭がはっきりしたスイッチです。
押し始めはスッとしていて、ストローク全体もリニア感が強く滑らか。底打ちも鮮明で、入力している感覚がしっかり指に返ってきます。
普段メカニカルキーボードを使っている目線でいうと、X Proはかなり磁気スイッチらしい打鍵感です。
物理接点式のメカニカルスイッチのような粘りや接点由来のタッチというより、押し始めから底打ちまでスムーズに落ちていくような感覚が強いです。
ただし、X Ultraと比べるとX Proの方が少しマイルドです。
打鍵音はNovaより明瞭で、1打1打の粒立ちも分かりやすいです。
一方で、X Ultraほどシャープに振り切っているわけではなく、「カタカタ」だけでなく、やや太さがあり「コト感」も少し感じられるバランスの良い音だと感じました。
気になる点は大きくありませんが、Novaと比べると音量は少し大きく、打鍵音の主張も強くなります。
静かさや落ち着き重視ならNovaの方が合いやすいです。
それでも、打鍵感・打鍵音のバランスはかなり良く、3種類の中でも特に万能寄りのスイッチです。
普段使いとゲーム用途のどちらも重視したい人、Novaより明瞭な打鍵感が欲しい人にはX Proがオススメ
Magnetic X Ultra

Magnetic X Ultraは、X Proとかなり近い打鍵感を持ちながら、よりシャープに感じられるスイッチです。
押し始めのスッとした感覚や、滑らかなリニア感、鮮明な底打ちはX Proと共通しています。
ただ、X Ultraの方が打鍵の立ち上がりや底打ちの輪郭がよりはっきりしていて、全体的にキレのある印象です。
X Proが少しマイルドで太さのある打鍵感だとすると、X Ultraはよりシャープでゲーミング特化寄り。
入力した瞬間の感覚が分かりやすく、ラピッドトリガーやアクチュエーションポイント調整を活かして使いたい人には、X Ultraの方がキャラクターとしては分かりやすいと思います。
打鍵音もX Proよりシャープな方向です。
「コトッ」とした太さよりも、立ち上がりの速い「カタッ」「パチッ」とした質感があり、レスポンスの良さを感じやすいスイッチです。
ただし、今回のサンプルではキーキャップを装着した状態で、キーリリース時にわずかなカシャつきが感じられました。
スイッチ単体では気にならなかったため、スイッチ内部のノイズというより、キーキャップを装着した状態での跳ね返りが少し目立っている可能性があります。
大きな欠点というほどではありませんが、打鍵音のまとまりという点では、X Proの方が自然に感じたため、好みは少し分かれるスイッチだと思います。
よりシャープな打鍵感やゲーミング寄りのキレを重視する方にオススメ
カシャカシャしたノイズについては、軽めのルブ調整(ステムガイド周辺とスプリング)を試したところ、ある程度は軽減されました。磁気スイッチはあまり打鍵感が変わっても微妙だと思うので、軽めのルブ調整に抑えておくのが良いでしょう。
実際に選ぶならどれ?
3種類とも完成度が高く非常に迷いますね。実際に選ぶなら用途や好みに合わせて考えるのが分かりやすいと思います。
- 普段使いも重視するなら Keytok Nova
仕事や普段のタイピングでもEV63を使いたいなら、Keytok Novaが一番選びやすいと感じました。
3種類の中では打鍵音が控えめで、底打ち感もマイルド。
磁気スイッチらしいスムーズさはありつつ、音や打鍵感が尖りすぎていないので、長時間のタイピングでも扱いやすいです。
ゲーミングキーボードとしての性能を持ちながら、普段使いでも違和感が少ないスイッチを選びたいなら、Novaがかなり良い選択肢だと思います。 - 打鍵感・打鍵音のバランス重視なら Magnetic X Pro
打鍵感と打鍵音のバランスを重視するなら、Magnetic X Proがオススメ。
Novaよりも明瞭で、X Ultraよりも少し丸みがあり、普段使いとゲーム用途のどちらにも合わせやすいバランス型。普段使いでも気持ちよく、ゲームでもレスポンスの良さを感じやすいスイッチです。
実際に打ってみるとかなり完成度が高く、EV63の評価が高いのも納得できる打鍵感でした。 - ゲーミング寄りのシャープさを求めるなら Magnetic X Ultra
よりシャープな打鍵感や、ゲーミング寄りのキレを求めるならMagnetic X Ultraがオススメ。
X Proと基本的な打鍵感は近いですが、Ultraの方がより立ち上がりがはっきりしていて、底打ちの輪郭も分かりやすい印象です。
ラピッドトリガーやアクチュエーションポイント調整を活かして、より競技寄りに使いたい人にはX Ultraのキャラクターが分かりやすいでしょう。
個人的には、普段使いや仕事用途でタイピングする時間が長いので、3種類の中ではKeytok Novaが一番好みです。
打鍵音が控えめで、底打ち感もマイルド。ゲーミングキーボードらしい性能を持ちながら、普段使いでも自然に使えるところがかなり魅力的でした。
ただ、軽快さや打鍵音の気持ちよさという点では、Magnetic X Proもめちゃくちゃ良いです。
Novaよりも明瞭で、X Ultraよりも少し丸みがあり、打鍵感・打鍵音のバランスが超優秀でした。
まとめ
EV63の3種類のスイッチは、スペック上の押下圧こそ近いものの、実際に打ち比べると打鍵感・打鍵音にはしっかり違いがありました。
Keytok Novaはマイルドで普段使いしやすく、Magnetic X Proは明瞭さとコト感のバランスが良いスイッチ。Magnetic X Ultraはよりシャープで、ゲーミング寄りのキレを感じやすいスイッチです。
普段使い重視ならNova、軽快さやバランス重視ならX Pro、よりゲーミング寄りのシャープさを求めるならX Ultraという選び方が分かりやすいと思います。
EV63はゲーミング性能だけでなく、CNCアルミケースや多層フォーム構成による打鍵感・打鍵音、さらに通常モデル3色とコラボモデルを含めたデザイン性・所有感も魅力のキーボードです。
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