Lofreeから新しくリリースされた「Lofree Flow Lite84 」レビューします。2024年9月19日からKickstarterでクラファンスタートして、最安$69という価格設定だったため、かなり注目度が高く人気があり、最終的に9,630 人のバッカーがHK$ 8,734,108プレッジしたようです。ちなみに、Keychron K2 HEで6,608 人のバッカーだったようなので、Flow Lite84はかなりの人気だということが伺えます。私はダブルパック(2台で$138.00)を購入しました。追加のキースイッチやデスクマットなど諸々購入してしまったので、結構な金額になってしまいました…。
クラファンスタート前から注目度が高く、配送遅延で若干炎上してしまいました。それだけ期待が大きかったという事でもあると思いますが…。現在は海外公式サイトとLofree Japanの両方で取り扱いしていて、海外公式サイトで$99.00、Lofree Japanで17600円で販売されています。
Flow Lite84は「Lite」な部分もあれば、アップグレードされてFlow84よりも優れている点もあります。1か月ほど使ってみたので、じっくりレビューしていきたいと思います。このレビューが2025年最初のレビューになります。
Flow LiteとFlow84のスペック比較
まずはFlow84との違いが気になるので、スペック一覧をまとめてみました。公式サイトにある情報を元に、足りない部分を付けたしています。
Flow Lite84とFlow84の違いとしては、ケース素材・キーキャップ・キースイッチ2.4GHzワイヤレス接続対応という以外にも色々あります。特に、Flow Lite84のボリュームホイールやキックスタンド、背面の2.4GHzレシーバー(ドングル)収納、キーリマップソフト対応があることで、より利便性が高まっています。
もうここまできたら、Flow Lite84をアルミフレームにして、Flow84 V2として出してもいいのでは?と思うくらいアップグレードされています。でも、仮にFlow84 V2になるのであれば、ぜひQMK/VIA対応して欲しいです。
Lofree Flow Lite84 | Lofree Flow84 | |
---|---|---|
キー数 | 84キー(75%) | |
カラー | オフホワイト、マーブル、フラミンゴ | ホワイト、ブラック |
マルチファンクションキーの数 | 16 | |
ボリューム ローラー | アルミ製ボリュームホイール | – |
キースイッチ | Spector (リニア) | ホワイト:Ghost (リニア) ブラック:Phantom (タクタイル) |
スイッチ ステム形状 | MX互換 | |
ファクトリー ルブ | はい | |
寸法 | 316.8mm x 138mm x 23.5mm | 316mm x 126mm x 24.5mm |
重量 | 555g | 568g |
バッテリー容量 | 2,000mAh | |
充電端子 | USB-C | |
最大動作時間 | 約80 時間(ライトオフ時) | 約40 時間 |
充電時間 | 3時間 | |
フレーム素材 | ABS | アルミニウム合金 |
キーキャップ 素材 | PBT+PC Double Shot | 昇華印刷 PBT |
ホットスワップ対応 | はい | |
傾斜角度 | 3°/6° キックスタンド有り | 3.9° |
構造 | ガスケット | |
接続モード | 2.4GHz & Bluetooth5.4 & USB-C有線 | Bluetooth5.0 & 有線USB-C |
Bluetooth 接続台数 | 3台まで | |
動作OS | Windows, Android, macOS, iOS | Windows, Android, macOS, iPadOS, iOS |
キーの再マッピング | Lofree Key Mapper for Windows | – |
バックライト | ホワイト | |
サイドライト | – | 8色 RGB, 3モード |
ポートレート | 1000Hz | ? |
技適認証 | はい | はい 「R-211-230707」 |
パッケージ | キーボード本体×1 USBケーブル×1 マニュアル×1 | キーボード本体×1 USBケーブル×1 マニュアル×1 |
外観デザイン
Lofree Flow Lite84のケース素材は、軽量化とコストダウンのためにABS樹脂製になっています。デザインの特徴としては、右上のボリュームコントローラーのゴールドを差し色に、その他はシンプルに単色カラーで統一され、ミニマルかつモダンなデザインになっています。ケース左上にはLofreeロゴが掘り込み加工されていて、さりげない高級感があります。カラバリはオフホワイト・マーブル (グレー)・フラミンゴ (ピンク)の3色。ホワイトは都会的な雰囲気、マーブルはレトロだけどカッコ良さもあり、フラミンゴは女性的な可愛らしさがあります。
キーボード全体のサイズ感は、Flow84よりも少し大きくなっていて、316.8 x 138 x 23.5mmという寸法です。特にボリュームコントローラーが設置されている分、キーボード上部のベゼルが太くなっています。NuPhy Air75もこのように上部のみ出っ張っているベゼル形状になっていて、持ち運びの際にちょうど指がかかるくらいになっているため、掴みやすく取り回しが良くなっていると感じました。
背面デザインは簡素なものになっていますが、より機能的になっていて、キックスタンドやドングル収納があります。キックスタンドは2段式ではなく1段のみです。タイピング感覚としては通常時の3°だと少し低い感じがありますが、スタンドを立てると6°になるので、十分な角度だと感じました。また、中央の銘板には、日本における技適認証番号も入っていました。
キーボード右奥側にはUSB-Cコネクターと接続切り替えスイッチが配置されています。Win/Macのシステム切替は物理スイッチはないので、キー操作で行います。「Fn+N」でWindows/Android、「Fn+M」でMac/iOSに切り替え可能です。
Flow Lite84は3モード接続対応で、有線接続とBluetoothに加え、2.4GHzワイヤレス接続にも対応しています。Bluetoothの接続先は3つあり「Fn+1 or 2 or 3」で切り替え、それぞれ3秒長押しペアリングになります。2.4GHz接続は「Fn+4」を押すことで切り替え可能です。技適認証取得済みなので、安心してワイヤレス接続を使用できます。
バックライト消灯はデフォルトで1分になっていて、ドライバーソフトで変更可能です。ちなみに、バックライト消灯した後の復帰ラグはほとんどなく、最初の1文字目から入力可能でした。ただ、何度かテストしてみたところ、2.4GHzワイヤレス接続時は特に問題なかったのですが、Bluetooth接続時に15分くらい放置した場合に、最初の1文字目が入力されませんでした。たぶん、バックライト消灯までの時間とディープスリープに入るまでの時間があるようです。
※パソコン側のスリープ機能は無効にしている状態でテストしています。
内部構造
内部構造の確認については、背面上部にネジが2つあるので、開けようと思えば開けれそうですが、ABS樹脂ケースなので安全のために開封せずに、公式サイトの画像で確認します。
音響フォームは3層構造で、シリコンパッド・IXPEパッド・吸音PUフォームを採用しています。ガスケットパッドはスイッチプレートにはめ込む構造になっています。ちなみに、Flow84の音響フォームは、シリコンパッドとPoron (PCBフォーム) の2層構造だったので、こちらはアップグレードされているポイントです。
スイッチプレートの素材は記載されていないので不明ですが、Flow84と同じ素材になっていると思います。おそらくポリカーボネート(PC)などのプラスチック素材だと思います。
また、Flow84は硬めのガスケットマウントでしたが、Flow Lite84は少し柔らかくなっていました。打鍵時に弾むような感覚はあまりなく、グッと強めに押し込むと少したわむ程度の丁度良いしなやかさです。キックスタンド底部がゴム素材で弾力があるため、立てた状態だとより柔らかく、キーボード全体でしなっているような感じがあります。
キーキャップ
Flow Lite84のキーキャップは、PBT+PCのダブルショットになり、Flow84からアップグレードされた部分です。PBT+PCの組み合わせは珍しく、バックライトにより刻印が透過する仕組みになっています。これにより暗所でも視認性が高まりました。逆に、日中など明るい場所で使用する際には、バックライトをOFFにしていた方が見やすいです。「Fn + F5 or F6」で明るさ調整、「Fn + ← or →」でバックライトモードの変更ができます。
また、キーキャップ形状はFlow84から変わらず、Lofree Flowプロファイルという独自プロファイル。高さ6.3mmで統一されたフラット形状で、角の取れた丸みがあり優しい触り心地で、快適なタイピングが可能です。ただ、このフラットな形状が合わないという声も耳にするので、好みは分かれるかもしれません。普段からノートPCやApple Magic Keyboardを使っている方は、比較的スムーズに移行できると思います。
写真ではPBT+PCのダブルショット成形が分かりにくかったので、公式サイトの画像も掲載します。
キースイッチ
今回の新スイッチ「Specter」は、Kailh×LofreeのフルPOMスイッチで、Flow84のGhostの作動フォース50gfから40gfまで軽くなり、さらにスムーズで滑かなスイッチになっています。作動トラベル 1.2mm・総トラベル 2.8mmなので、ロープロファイルらしい浅めの設定になっています。
実際にタイピングしてみて最初に感じたのは、最高に滑らかなキータッチで、澄み切ったキレイなカタカタ・コトコトとした打鍵音です。Flow84(Ghost)よりも少しだけコトコト寄りになっていると思います。そして、明らかにGhostより軽くなっていて、非常にスムーズで押し込み時に接点を感じさせないほどの滑らかさ。底打ち時の衝撃はガスケット構造により吸収されていて、跳ね返りは弱すぎず滑らかで程良い強さだと感じました。また、全体を通して打鍵感が均一で、どのキーを押しても安定した感触と心地よい打鍵音です。
ボディ全体のバランスやガスケットの柔軟性に加え、Ghostからしっかりと調整されたSpecterスイッチが「Flow Lite84の肝」になっている部分だと感じました。
Flow84のGhostは、少し重いというユーザーの声が多かったようです。私自身はタクタイルも好んで使用するので、あまり気になるほど重いとは感じていませんでした。しかし、そういったユーザーの声を聞いて改良してくれるLofreeの企業体質が好印象ですね。
また、Flow Lite84の発売とともにサイレントスイッチの「Hades」も同時リリースされています。オフィスや静かな場所だったり、オンラインミーティングの際に役立つスイッチです。今回私が2台購入した理由でもあります。1台はSpecterで普段使い、もう1台はシェアオフィス用にHadesにして使っています。
そして、ステムにシリコンダンパーが付いているような構造で静音化が図られていて、金属接点(リーフ)部分も衝撃吸収するような構造になっています。打鍵感は静音スイッチ特有のシリコン感は若干あるものの、40gfと軽めの作動フォースと浅めの2.8mmストロークが相まってタイピングしやすいと感じました。ノーマルプロファイルの静音スイッチと比較しても、かなりクオリティが高いものに仕上がっていると思いました。
ただ、動画でタイピング音を聞いてもらえれば分かりますが、Hadesがあまりにも静かすぎて…。普通のオフィスでもある程度雑音や話し声があるので、Hadesだと逆に仕事してないんじゃないかと思われないか心配になるくらい静かです。Specterでも十分静かな部類に入ると思いますが、静音スイッチが必要なシチュエーションもあるので、そのような方にオススメです。
ドライバーソフトウェア(Lofree Key Mapper)
Flow Lite84は専用のドライバーソフトウェア「Lofree Key Mapper(英語/中国語)」に対応していて、キー配列の変更やライティング設定、マクロ設定など変更可能になっています。ただし、Windows専用のソフトウェアになっているので、設定変更する際にはWindowsのパソコンが必要になります。設定したものはキーボード本体に即時保存・反映されるので、他のデバイスでも設定変更した状態で使えるようになっています。
Flow84はドライバーソフトが無かったので、Flow Lite84ではドライバーソフトを用意してくれただけでも嬉しいことではあります。しかし、Mac用も準備して欲しいところです。もしくは、VIA対応してWebアプリになってくれればOS問題が解決できて最高です。きっと後継機種は対応してくれると期待して待っています。
↓Lofree Japanのダウンロードページには、日本語での使用方法も掲載されています↓
アプリケーションを立ち上げて接続されるとホーム画面が表示されます。こちらではキーマップの変更が可能です。通常キーやコンボキー、マルチメディアキー、マクロ、有効/無効から選択できます。
Flow Lite84は隙間なくキーが配置されていて綺麗ですが、Enter側のサイドキー「HomeからPageDown」までが、結構誤入力しやすいです。無効化するか何か違うキーを割り当てておくと良いかもしれません
画面上部のアイコンが並んでいるところでメニュー画面の切り替えができて、ライティング設定やマクロ、各種設定を行うことが出来ます。
IME切替(日本語入力切替)をする際には、「Alt+`」or「Ctrl+Space」or「Capslock 単押し or Shift + Capslock」で切り替えることになります(※PCの設定によっては違う場合もあります)。「Capslock 単押し」で不自由なく使えるという方もいると思いますが、私の場合はWindowsとMacの両方を使うため、スペースバー両脇のAlt (⌘)キー単押しで統一すると使い勝手が良くなります。また「左のAlt (⌘) = 半角英数」「右のAlt (⌘) = ひらがな」に切り替えることで、今どちらで入力できるようになっているのかハッキリするため、ツールバーを見て確認する手間が省けるというメリットがあります。
USキーボードの認識は初回接続時だけでOKです。あとは、スペースバー両脇のCommandキーで日本語入力切替するためのソフトウェアを1つインストールするだけで大丈夫です。ソフトウェアは「⌘英かな 」や「Karabiner-Elements 」で簡単に設定可能です。
Windowsの場合は、USキーボードの認識に再起動が必要なので、ひと手間かかってしまいます。いっそのことUSキーボードのみ使用する設定にしてしまえば良いのですが、ノートPCは日本語配列キーボードの場合がほとんどだと思います。そのため、サードパーティ製のソフトウェアを複数インストールする必要があり、ちょっと面倒です。説明すると長くなってしまうので、以下の関連記事を参照してください。
Kickstarterで購入したオプション品
- Flow Lite 84 – Double Pack VIP Club
- Lofree Desk Mat – Tofu
- Flow Lite 84 – Keyboard Sleeve
- Lofree Switches x 2
- Free Gift: Switch Puller Set ($19.9 value)
今回購入したものを紹介します。Kickstarterではオプション品もお得だったので、色々と追加してしまいました。全部合わせるとHK$ 2,330(約46000円)かかりました。ちょっと買いすぎました。でも、海外公式サイトで値引きなしの通常価格の場合、ギフトも合わせると$430.9(日本円で約67000円)になるので、お得だったかなと思います。
※当たり前ですが、キーボードのみ購入した場合は、$129→$69なので47%OFFで一番お得です。現在は海外公式で$99、日本のLofree Japanでは17600円で購入できます。
スイッチはSpecterとHadesの両方を1セットずつ。Specterが写真に入っていないことに後から気づきました…。キーボードを2台購入したので、片方をHadesにして持ち運び用にしたかったのでスリーブケースも付けました。SpecterはFlow84に換装して使おうと思います。
その他、Lofreeのデスクマットを前々から欲しいと思っていたので、自分好みのTOFUデスクマットにしました。シンプルだけどお洒落で可愛らしく、ベージュ系とグレー系の両面デザインになっているので、気分に合わせて変えられます。ただ、滑りやすいというデメリットがありますのでご注意を。スイッチプラーなどの3つのツールは先行予約的なギフトです。キーボード本体の付属品は、ケーブルとマニュアルのみで、キーキャップ&キースイッチプラーが入っていないので助かりました。ちなみに、キースイッチの箱の中に、キースイッチプラーも同梱されているのが、地味に嬉しいです。
まとめ
Lofreeのロープロファイルは、どの機種も滑らかな打鍵感・キレイな打鍵音が特徴です。今回レビューしたFlow Lite84は、その中でも頭一つ出るほどに滑らかでキレイになっていました。お世辞抜きで最高のタイピング感覚、他のキーボードでは味わえない唯一無二の打鍵感・打鍵音です。
そして、Flow Lite84のケース素材は、ABS樹脂製にすることで軽量化とコストダウンされています。音響フォームとキースイッチ・キーキャップについてはアップグレードされました。また、2.4GHzワイヤレス接続に対応していて、日本国内の技適認証も取得済み。本体背面にドングル収納が出来るようになっているというのもポイントです。他にもレイテンシー性能やキックスタンドなど、細かい部分もアップグレードしていたり、Lofree Key Mapperによるキーリマップ等も出来るようになっています。本当にLiteと言うのは名ばかりで、完全にPro仕様に仕上がっていると思います。
これほど沢山アップグレードされたFlow Lite84ですが、これをアルミニウムケース+QMK/VIA対応(Mod-Tap可)にしたら、完璧なロープロファイルFlow84 V2の出来上がりになってしまうのではないでしょうか。ただ、それだけでV2になるようなLofreeではないような気もしますが… あまりハードル上げるといけないので、この辺にしておきます。
Flow Lite84の価格は、Lofree Japanで17600円になっていて、当ブログの独自クーポンで10%OFFで15840円になります。ロープロファイルの中ではかなりお手頃な価格帯になっています。Liteなのにこれだけアップグレードされると、流石に高コスパと言わざるを得ないと思います。1台持っておけば外出時など持ち運びにも便利ですし、何よりお気に入りのキーボードを使っているだけでテンション上がっちゃいます。そんなLofree Flow Lite84ですので、ぜひチェックしてみてください。
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