こちらの記事は、2024年10月くらいに公開するはずの記事でずっと下書き保存されて埋もれていました。気づけばもう2024年仕事納め…。今年一番大きい買い物だったカメラについては、年内に公開しなければと思い、ちょっと中途半端な記事になってしまいましたが、カメラ選びで迷っている方の参考になればと思います。
今までレビュー動画を撮影する際は「BMPCC4K」と「SONY ZV-E10」を使用していました。というのも、手持ちのカメラがこの2機種と言うだけの理由です。BMPCC4Kは仕事用として、ZV-E10は手軽にプライベート用+仕事用サブ機としてとして、という感じでした。レビュー動画を撮影する際には、BMPCC4KをメインにしてZV-E10をサブとして2台一緒に使っています。ただ、そうすると結構編集が大変なんです…。YouTubeチャンネルを今年の3月に開設しましたが、その頃から何か良いカメラがないかと色々と調べていました。
本記事では、ZV-E10 IIとGH7の比較記事というわけではなく、レビュー動画の撮影環境を改善していくにはどちらを購入したらいいのかという観点で記事をまとめています。そのため、ZV-E10 IIを選択した場合には、BMPCC4KをメインにZV-E10 IIをサブで使用する。もしくは、GH7の1台だけにしてしまうかという2択で考えています。
- 映像の画質・色味
- オートフォーカス性能
- 手振れ補正
- マイク関連(拡張性)
- 長時間撮影
- 耐久性
- 長期的なコスパ
- 本体サイズだけでなく、拡張性含めた機動力
- 本業(Web制作)でスチル機としての活用
上記のポイントは個人的に重要視しているポイントで、他にも一般的には、センサーサイズや対応レンズ・マウント方式、操作性、スパースロー、バッテリー持続時間、カラープロファイルなど、出せばきりがないかもしれません。
「SONY ZV-E10 II」「LUMIX DC-GH7」に絞った理由
ZV-E10 IIの方は、前モデルZV-E10を現在使っていて、その後継機として2024年8月2日に発売されました。YouTube等を見ている限り、結構いい感じに進化したように思います。α6700やFX3も良いと思いますが、用途とコストを考えると、ZV-E10 IIにアップグレードしようかなと。
GH7の方は、マイクロフォーサーズ機として、GH4時代から気になっていましたが、購入には至らず。Panasonicは少し前に炎上していたりと、心配になる点がありましたが、ZV-E10 IIと同時期の7月26日に発売され、GH7を調べていくと驚くほど進化していたので、一気に候補に挙がってきました。また、マニュアルレンズばかりですが、BMPCC4Kで使っているレンズを共有して使えるので、そこもポイントになりました。
SONY ZV-E10 IIの主な特徴
- APS-Cサイズ 裏面照射型 「Exmor R」 CMOSセンサー
- 静止画時: 最大約2600万画素、動画時: 最大約1990万画素
- 画像処理エンジンBIONZ XR
- 4K60p 4:2:2 10bit対応(5.6Kオーバーサンプリング)
- クリエイティブルック
- シネマティックVlog設定
- S-Cinetone/S-Log3対応
- カスタムユーザーLUT
- 高性能手ブレ補正「アクティブモード」
- 最大759点像面位相差AF(動画時: 最大495点)
- リアルタイム瞳AF
- ブリージング補正
- インテリジェント3カプセルマイク
- NP-FZ100バッテリー
特徴をザっとリストしましたが、前モデルからの進化点がかなり多く、めちゃくちゃ魅力的です。特に、様々なレビュー動画を見ましたが、Exmor RとBIONZ XRによって画質がかなり向上していました。空の青さや緑、肌の質感など全体的に色がしっかり出ている印象です。前モデルを使用していて気になっていた点も、着実にアップグレードされていました。
ZV-E10 Ⅱ | ZV-E10 | |
---|---|---|
解像度 | 4K 60P | 4K30P |
カラーサンプリング・深度 | 4:2:2 10bit | 4:2:0 8bit |
記録方式 | XAVC S XAVC HS XAVC S-I | XAVC S |
AF | 位相差AF(静止画759点/動画495点) リアルタイム瞳AF | 位相差AF(425点) リアルタイム瞳AF |
カラーサイエンス | S-Cinetone /クリエイティブルック シネマティックVlog設定 ユーザーLUT インポート | クリエイティブスタイル |
アクティブ手ブレ補正のクロップ率 | 約1.33倍 | 約1.45倍 |
LOG撮影時の最低ISO | ISO200 | ISO500 |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FW50 |
4K 60P 4:2:2 10bitになった点と、Log撮影時の最低ISOが500だったところが、M2ではISO200から使用できるようになっている点が最高ですね。その他、筐体が少し大きくなって、グリップも掴みやすい形状が変わって使いやすくなったようです。バッテリーもNP-FZ100になりバッテリー持ちも良くなりました。しかし、個人的にはリグや周辺機材の事を考えると、筐体サイズは変えないで欲しかった。
あと、熱暴走については、前モデルでもそうでしたが、撮影設定次第で大幅に変わると思います。4K60p(プロファイル等不明)では21℃の環境で24分でオーバーヒートしたという事例もあれば、4K24p(S-Log3/S-Gamut3.Cine)で1時間40分経過とか2時間以上回してバッテリーが切れるまで大丈夫だったという事例もあります。私の場合はLog撮影メインで使用しているので、たぶん大丈夫かなと思います。ただ、4K60pやS&Qモードを多用するような場合は厳しいかなという印象です。
YouTubeで様々な方のレビュー動画を見ると、色味もかなり改善されているという印象でした。α6700やFX30と同じ2600万画素「Exmor R(TM)」CMOSセンサーや画像処理エンジンBIONZ XRに刷新されたりと、素晴らしい進化をしています。特に、M1では青空の青が白飛びすることが多く、非常に気になっていましたが、M2ではキレイに青が表現されていると思いました。屋外撮影が多い方は、これだけでも買い替える理由になると思います。
最後に価格ですが、記事執筆時のAmazonでの価格となりますが、パワーズームレンズキット 142699円となっています。M1の方が99980円なので、約4万円差となっています。発売直後は16万円くらいだったので少し落ち着てきたのかなと思います。まずは、パワーズームレンズキットで使っていこうという方は、選択肢として有りだと思います。ただ、カメラを購入する際にはレンズも重要になってきて、高価なGレンズも一緒に購入しようとか様々考えると、結局他のカメラにしても良いのでは?という疑問も出てきてしまいます。
LUMIX DC-GH7の主な特徴
LUMIX DC-GH7の特徴をリストアップしてみました。
- 有効画素数 約2520万画素 裏面照射型CMOSイメージセンサー
- 779点 像面位相差AF
- ダイナミックレンジブースト ISO 100対応
- Log撮影サポート(V-Log / V-Gamut、Logビューアシスト搭載)
- ARRI LocC3(要ライセンスキー)
- Apple ProRes RAW HQ内部記録
- 新世代ヴィーナスエンジン
- 5.7K 60p 4:2:0, 10bit(その他多彩な動画記録フォーマット)
- 4K 120p 10bitのHFR(ハイフレームレート)/VFR(バリアブルフレームレート)動画記録
- 別売DMW-XLR2装着時 32bit フロート録音に対応
- 5軸7.5段 ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)、5軸7.5段 Dual I.S. 2、アクティブ I.S.
- 長時間撮影を支える放熱構造(本体内ファン搭載)
- 防塵・防滴・耐低温設計
- 高耐久なメカニカルシャッター機構
- CFexpress Type B、SD UHS-II、USB-C SSD
- チルト + バリアングルモニタ
- DCカプラー対応
以下の表でレンズキットと単焦点レンズ1本をセットで購入した場合の合計を出してみました。SONYの方は単焦点レンズの候補が複数あったので一概には言えませんが、後々の事も考えてF1.4のGマスターレンズが良いかなと思いますが、そうするとGH7のレンズキットより高くなってしまいます。これであれば思い切ってGH7にしても良いのかなと思いました。
LUMIX DC-GH7 | ZV-E10 II | |
レンズキット | 340,065円 | 142,699円 |
単焦点レンズ | LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH. 58,000円 | SIGMA 35mm F2 DG DN Contemporary 69,300円 SONY FE 35mm F1.8/SEL35F18F 84,700円 SONY FE 35mm F1.4 GM/SEL35F14GM 207,900円 3本の内1本を選択 |
合計 | 398,065円 | 211,999~350,599円 |
ZV-E10 IIを検討していて、レンズとセットで購入しようとしたところ、結局当初の予算から大幅にオーバーしてしまいました。そこで「LUMIX DC-GH7」が候補に挙がってきたという流れです。GH7は7月26日に発売しており、ボディ単体で271745円、レンズキットで340065円となっています。ZV-E10 IIとは価格帯がかなり違う機種ですが、GH7はマイクロフォーサーズ機なので、レンズが比較的安いものが多いので、トータルコストで考えると筆頭候補になってきます。
結局どちらを購入したのか
結果から言うと、LUMIX DC-GH7を購入しました。
BMPCC4KをメインにZV-E10をサブで使用することがキツイというところから始まっているので、BMPCC4Kを使っている理由(メリット)と、使っていてキツイと感じている点(デメリット)をまとめると、GH7にした理由が見えてきます。
BMPCC4Kの | メリットBMPCC4Kの | デメリット
---|---|
BlackMagic RAW収録できる Davinci Resolveとの相性が良い 長時間撮影に耐久出来る シネマライクな映像が作りやすい mini XLR対応 | 手振れ補正なし マニュアルフォーカス ファイル容量が大きすぎる 編集に時間がかかりすぎる |
また、夏休み期間にGH7の実機を触る機会があったので、少し使ってみたところ、上記メリット・デメリットをカバーできていると感じました。むしろ、カバーした上で更にアップグレードできるという感じです。特に、手振れ補正やAF性能が凄すぎて驚きました。その他もダメだしするところがないほど、動画撮影に最適のカメラだと感じました。これであれば1台だけで運用できそうだなと思います。(2台あれば最高なんだけど…)
LUMIX DC-GH7のお気に入りポイント
GH7の主な特徴で上げたところは殆どがお気に入りポイントですが、特筆すべきところだけリストアップします。
- アクティブ手振れ補正
- ハイフレームレート/バリアブルフレームレート
- 像面位相差AF
- 長時間撮影
- 32bit フロート収録
商品レビューの動画撮影時には、本来であれば三脚やジンバル、スライダー、ライティングなど撮影環境を整えることも重要ですが、私の場合はあまり環境が良くないということもあり、大きい機材を置いておく場所もないので、固定アングル以外は基本的に手持ち撮影です。そのため、アクティブ手ブレ補正がとても重要になってきます。寄りのスライド撮影なども手持ち撮影で出来るくらいに効いています。シチュエーションによりますが、長い時間撮影していると疲れも出てくるので、120pハイフレームレートやバリアブルフレームレートを使って軽減することも出来ます。また、シーンに合わせて手振れ補正の種類を切り替えることが多いので、クイックメニューやFn割り当てしておくと便利です。
AF性能については、本当に気持ちいいくらいシャキッとフォーカスしてくれます。人物認識などの自動認識もしっかりしていました。他にも、AFモード切り替えボタンの使い勝手が良く、撮影中に切り替えることが多い場合も便利です。
長時間撮影に耐久出来るという点も非常に優秀です。レビュー用の動画を撮影する際は、電源のON/OFFを気にしていられないので、DCカプラーを使って常時電源ONにしています。長引いてくるとファンが回り始めて排熱してくれます。サーっという音が聞こえますが、外部マイクを使っているので特に気になることはありません。試しにカメラ側のマイクで録音してみましたが、通常使用であれば問題ないレベルです。
オプションにはなりますが、別売のDMW-XLR2を付けることで、32bitフロートでの録音が出来るようになります。INPUT1とINPUT2にXLR、INPUT3にΦ3.5mmミニプラグでマイク接続できるようになっています。私の場合は、メカニカルキーボードのタイピング音を収録する際にXLR接続で使用していて、音割れしないというのは本当に心強いです。
また、スチル撮影用としてもめちゃくちゃ活躍してくれています。私は元々Canon EOS 7DmarkⅡを10年くらい愛用していて、本業でのスチルはこちらを使用していました。試しにGH7を本業の方で使ってみたら、急いで撮影しなければならない場合でも、ブレの少ない撮影ができて、暗所でのノイズの少なさにも驚きました。
まとめ
8月末にGH7購入して4カ月ほど使っていて徐々に使い慣れてきました。まだまだフルで使い切れているとは言えませんが、少なくともレビューなどのYouTube動画用としては十分すぎるカメラです。BMPCCも大概ですが、GH7も正直オーバースペックだなと感じています。ですが、キレイな画質、手ブレに強く、動画も写真もいけちゃうカメラなので、買って損することはないと思います。
私の場合はBMPCCで使っていたマイクロフォーサーズのレンズを使いまわしていますが、マイクロフォーサーズでも様々なレンズがあり、キレイなボケ感だったり、シネマ系の柔らかさを出すことも出来ます。マイクロフォーサーズは安くて良いレンズが多いので、トータルで考えるとコストパフォーマンスも良く、そこもかなりおすすめポイントです。興味ある方はぜひチェックしてみてください。
一点だけ注意点というか、私は元々Blackmagic RAWに慣れていたので、パナソニック特有のナチュラルな色表現に慣れるまで時間がかかりました(むしろ、その雰囲気が好きという方は撮って出しでもはまると思います)。今回の私の目的としては、レビュー動画の撮影・編集を簡略化させたくてGH7を購入したので、下手に逆らわずに簡単なカラコレだけするようにしています。がっちりカラコレ・カラグレしたいならLog撮影することになり、それだと本末転倒なので…。
最後に余談ですが、実はLUMIX DC-GH7を購入してすぐに初期不良がありました。不具合の内容としては、バリアブルフレームレートで撮影すると、なぜか動作しなく固まってしまうという現象でした。メーカーサポートともやり取りした結果、初期不良で新品交換してもらいました。交換した後は問題なく撮影出来ているので安心しました。結構不良品に当たることが多いので、きちんと保証対応してもらえる正規販売店から購入するということが大事ですね。
以下の商品リンクに掲載しているものは、実際に私が使っているGH7とアクセサリーの一覧です。全部ではありませんが、まずはこれを揃えておけばというものを掲載しています。
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↓リグについては、互換性があるものもあり、ケージさえ用意すれば、他のカメラのものと共用で使うことも出来ます。そのため、メーカーを揃える、もしくは互換性をチェックして購入しておくと便利です。↓
↓一時期高騰してましたが落ち着いてきたので、複数枚用意しておくと便利↓
↓カメラを1台で回す場合は、三脚や卓上一脚、俯瞰用のカメラアームなど、すぐに脱装着するのに複数あると便利↓
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