今回レビューするのは、驚異のラピッドトリガー0.01mm~(0.005mm単位での調節可)という「WOBKEY Rainy75 RT」です。発売前からかなり話題になっていて、今大注目のラピトリキーボードです。
Rainy75と言えば、今年2024年2月に発表された「雨音のような打鍵音」のメカニカルキーボードが好評で、年間で20万台も売り出した大人気キーボード。今年のメカニカルキーボードと言えばRainy75と言っても過言ではないと思います。そのRainy75のゲーミング版(磁気スイッチ対応キーボード)として、Rainy75 HE/RTが11月10日に発売されました。今回も正規代理店のKIBU SHOPでの取り扱いとなっていて、販売先としてはKIBU SHOP ECサイト をはじめ、パソコンショップアークやPCONESなどで販売されるということでした。現在はKIBU SHOPで500台先行予約となっています。12月上旬~中旬から順次発送予定とのことです。
Rainy75 HE/RTという2種類のモデルがあり、今回提供いただいたのはRainy75 RT Pro(TTC KOM RGBスイッチ)モデルです。レビュー動画の方では打鍵音も確認できますので、ぜひご覧ください。
【PR】商品提供:KIBU SHOP
WOBKEY Rainy 75 HE/RT
ラピトリキーボード
価格:¥31,500~¥35,000
12月上旬~中旬から順次発送予定
配送:【日本国内発送】日本国内発送は無料
※詳しくは公式サイトにてご確認ください。
KIBUSHOPにて500台先行予約となります。
2000円引きクーポンコード:RAINY75GAMING
WOBKEY Rainy75 RTの主な特徴
- AP/RP 0.01mm~(0.005mm単位で調整可)
- ダブルデッドゾーンなし
- ポーリングレート&スキャンレート 8000Hz
- レイテンシー 0.125ms(400MHzの高性能MCU搭載)
- WOB自社開発Webドライバー
- CNC加工の6063フルアルミ合金
- FR4(Liteモデル) / カーボンプレート(Proモデル)
- ゲーミング特化Surroundガスケットマウント
- Rogers高密度フォーム
- グラフェンケーブル
- Gateron Jade Proスイッチ(HEモデル) / TTC KOM RGBスイッチ(Proモデル) 他
- キーキャップ選択ができない
- SOCD対応ですが、その他Mod-TapやDKSなどは未対応
Rainy75 HE/RTの目玉としては、ラピッドトリガー機能でアクチュエーションポイント(AP)とリセットポイント(RP)を0.01mmから設定可能、0.005mm単位で調整可能という驚異の性能です。そして、ポーリングレートとスキャンレートが最大8000Hzに対応し、0.125ms未満の低遅延(レイテンシー)です。
4つのモデルについて(カラバリ含めて6つ)
Rainy75 HE/RTには、HEとRTという2つのモデルがあり、2つのスイッチから選択できるので、4つのモデルが存在しています。Proモデルには2色から選択できるため、合計6つのバリエーションが存在しています。KIBU SHOPの商品ページを見て、ちょっと戸惑った方も多いのではないでしょうか。少し分かりずらいのでまとめてみました。全体の仕様については最後にまとめていますので、そちらをご覧ください。
- Rainy75 HE(Lite)ナチュラルグレー … ¥31,500
- Rainy75 HE(Pro)ナチュラルグレー … ¥33,500
- Rainy75 HE(Pro)ギャラクシーシルバー … ¥33,500
- Rainy75 RT(Lite)ナチュラルグレー … ¥33,000
- Rainy75 RT(Pro)ナチュラルグレー … ¥35,000
- Rainy75 RT(Pro)ギャラクシーシルバー … ¥35,000
HEとRTの違い
Rainy75 HE(Lite/Pro)は、Gateron Jade Proスイッチ搭載モデルとなっています。Jade Proは打鍵感・打鍵音を重視したモデルです。様々なゲーミングキーボードで採用されていて定評があります。
Rainy75 RT(Lite/Pro)は、TTC KOM RGBスイッチ搭載モデルとなっています。こちらのスイッチは万磁王軸(King of Magnetic)として性能に定評があり、限界性能を重視する方にオススメです。
LiteとProの違い
HE/RT Lite | HE/RT Pro | |
---|---|---|
カラー バリエーション | ナチュラルグレー | ギャラクシーシルバー ナチュラルグレー |
ウェイト | ミラーガラス | ステンレス氷晶 |
プレート | FR4 | カーボン |
キーキャップ | ダブルショットPBT | Dye-Sub PBT+PC |
LiteとProでチェックしておきたいところは、特にプレートとキーキャップかなと思います。
プレートの違いで打鍵感がかなり変わってきます。FR4とカーボンではカーボンの方が剛性があるため、性能面を最大限引き出してゲームでガッツリ使いたいのであれば、カーボンプレートのProモデルを選択したほうが良いです。逆にFR4は通常のメカニカルキーボードで使われているPC・PPプレートなどよりは硬いのですが、カーボンよりは柔らかいため、打鍵感や長時間のタイピングをする場合にはFR4を選択したほうが良いです。ちなみに打鍵音についてはFR4の方が比較的静かです。
キーキャップについては、Proの方がデザイン性を重視した結果Dye-Sub PBT+PCになったのではと思います。好みは分かれてしまうかもしれませんが、かなりサイバー感溢れるデザインになっています。
一般的なダブルショットPBTと昇華印刷(Dye-Sub )PBTの打鍵音の違い
ダブルショットPBT | 昇華印刷(Dye-Sub)PBT | |
---|---|---|
音のトーン | 低音寄り、深みのある音 | 高音寄り、軽やかな音 |
響きの特性 | 重厚感があり、しっかりとした音 | 軽快で均一な音 |
キーキャップの厚み | 厚いことが多い | 比較的薄いことが多い |
外観デザイン
まずは外観デザインについて、メカニカル版のRainy75と同様のボディを採用していて、Proの方だけシルバーとグレーの2色展開となっています。雲と雨のかわいいロゴマークも変わらず、トップ右下とボトムに入っています。ボトムウェイトは、LiteがミラーガラスでProがステンレス氷晶となっています。ステンレス氷晶の方が指紋など付きにくくデザインもRainyらしい雰囲気です。この可愛さがRainy75の特徴でもありますが、今回のHE/RT Proについては、キーキャップデザインにより完全にゲーミング系デザインにまとまっています。
そして、重さ約2kgというズッシリしたフルアルミの重量感が、タイピングやゲーミングの安定性に繋がっています。このアルミニウム素材についてはメカニカル版のRainy75同様にかなりこだわっていて、6063アルミニウムをCNC加工(削り出し)で陽極酸化処理(カラーチタン)された高品質なものとなっています。
ボディ周辺には切り替えボタンなどはなく、USBコネクターのみとなっています。また、より安定した効率的な伝送をするため、付属のグラフェンケーブルを使用してください。
内部構造
磁気スイッチキーボードにおいて、ゲーミング性能の精度を高める上で内部構造も重要です。メカニカル版のRainy75は、音響性能にこだわっていましたが、磁気スイッチ版では、カーボンプレート、高密度の3.5mm Roger Pronフォーム、4層PCB、Surroundガスケットという、打鍵感・打鍵音を考慮しつつゲーミング性能に特化した設計となっています。この内部構造のベースがあるからこそ、磁気スイッチの性能を限界まで引き出すことが出来るのだと思います。
キーキャップ
6つのバリエーションでも書いているので、繰り返しになってしましますが、Proの方がデザイン性を重視したDye-sub PBT+PCで、Liteが耐久性重視のダブルショットPBTとなっています。メカニカル版 Rainy75のダブルショットPBTとDye-sub PBTを比較してみましたが、打鍵感・打鍵音にはそこまで影響しないという印象でした。
デモ機のProモデルのDye-sub PBTの厚みと重さを実測
・Dye-Sub PBTのJキー:1.4mm、1.17g
・Dye-Sub PBTのF1キー:1.5mm、1.62g
・PCのESCキー:1.2mm、1.15g
メカニカル版のダブルショットPBTの厚みと重さを実測
・Jキー:1.6mm、1.08g
・ESCキー:1.7mm、1.39g
また、ボディーカラーがシルバーやグレーなので、サードパーティ製キーキャップとの相性も良く、付け替えやすいと思うので、お気に入りのキーキャップと交換してみても良いでしょう。
キースイッチ
HEモデルはGateron Jade Proスイッチ、RTモデルはTTC KOM RGBスイッチとなっています。Jade Proは打鍵感・打鍵音を重視したモデルです。TTC KOM RGBスイッチはゲーミングの限界性能を重視する方にオススメです。参考までにスペックをまとめました。
商品名 | Gateron Magnetic Jade Pro | TTC KOM RGB |
---|---|---|
タイプ | リニア | リニア |
素材 ステム/トップ/ボトム | POM PC, PA66 | 記載無し |
初動フォース | 36±5gf | 35±5gf |
総トラベル | 3.5±0.1mm | 3.4±0.2mm |
作動トラベル | カスタム可能 | カスタム可能 |
スプリング | 20mm | 21mm |
ファクトリールブ | あり | あり |
耐用回数 | 1億ストローク | 1億ストローク |
初期磁束 | 100±15gs(PCB 1.2 mm) 90±15gs(PCB 1.6 mm) | |
触底磁束 | 640±50gs(PCB 1.2 mm) 480±50gs(PCB 1.6 mm) | |
備考 | ボックスステム(防塵設計) ソフト構造(分割構造) |
打鍵感・打鍵音
今回のデモ機は、Rainy75 RT ProモデルなのでTTC KOM RGBスイッチでの使用感をお伝えします。
打鍵感は、スイッチ単体ではそこまでわからなかったのですが、セットされた状態でタイピングしてみると、35gfという軽さで軽快ながら、鮮明でクッキリハッキリしていて、底打ち感・跳ね返りもしっかりしています。内部構造がしっかりしているからこその打鍵感という印象で、ゲーミングだけでなくタイピング用途でもアリだと思います。
ラピトリキーボード全体に言えることかもしれませんが、磁気スイッチの35gfとメカニカルスイッチの35gfだと、私の体感として磁気スイッチの方が重く感じるというか、スプリングの影響が強いのだと思いますが、磁気スイッチの方が打鍵感がしっかりしていて安定感があるように感じます。
打鍵音については、少しトーンが高くて軽い音になっています。表現するならPoppyだったりClackyな感じで、弾けるような軽快な音だと思います。また、PBTとPC素材で打鍵音が全く違うものになっています。薄くて軽いPC素材のスペースバーやEnterは、さらに軽い音になっています。はじめは違和感を感じるかもしれませんが、慣れてくると音と手触りの違いで誤打が減るというメリットがありました。
性能面と打鍵感・打鍵音のバランス・好みは、個々人でかなり違ってくるので一概には言えませんが、メカニカル版のようなThockyなコトコト系ではないので、少しでも打鍵音を求めるのであれば、Rainy75 HE(Jade Pro)の方を選択しても良いのかなと思います。また、Rainy75 HE/RTは、TTC KOM RGBとGateron Jade Pro以外にもKOM や琥珀といった他のスイッチにも対応していて、今後も随時更新して増えていくということでした。自分好みのものを探すために、スイッチを交換したりして試してみるのも良いかもしれません。
日本語対応Webドライバー(WOBWXE)
WebドライバーのWOBWXEは日本語対応になっているので嬉しいですね。初回起動時に違う言語になっている場合は、左下の赤い設定アイコンから言語設定を行ってから接続します。
レイヤーは1~4までの4つあり、レイヤー切替はボディの後方等にはなく「Fn+Cキー」で切り替えるようになっています。ソフトウェアの設定内容としてはシンプルで、ラピッドトリガー設定画面にクイック選択があったりと使いやすくなっていました。
SOCDには対応していますが、その他Mod-TapやDKSなどは未対応なので今後のアップデートに期待です。また、キーマッピングは最低限のものになっているので、日本語入力の切り替えを簡単にしたい場合など、サードパーティのソフトウェア対応することをオススメします。
仕様一覧
機種名 | Rainy75 HE LITE | Rainy75 RT LITE | Rainy75 HE PRO | Rainy75 RT PRO |
---|---|---|---|---|
メーカー | WOBKEY|日本正規代理店 KIBU | |||
カラーバリエーション | ナチュラルグレー | ナチュラルグレー ギャラクシーシルバー | ||
接続方法 | USB有線のみ | |||
インターフェース | Type-C | |||
ケーブル | グラフェンケーブル | |||
本体重量 | 約2KG | |||
本体サイズ | 320 x 135 x 35mm | |||
ウエイト | ミラーガラス | ステンレス水晶 | ||
プレート | FR4 | カーボン | ||
キーキャップ | PBT(ダブルショット) | PBT+PC | ||
ホットスワップ | 対応 | |||
RGB | 対応 | |||
ラピッドトリガー機能 | 対応 (AP/RP0.01mm~|0.005mm単位調整) | |||
搭載スイッチ | Gateron Jade Pro | TTC KOM RGB | Gateron Jade Pro | TTC KOM RGB |
ポーリングレート & スキャンレート | 8000Hz(<0.125ms遅延) | |||
デッドゾーン | なし | |||
筐体素材 | 6063アルミ合金【陽極酸化処理(カラーチタン)】 | |||
加工方法 | CNC削り出し | |||
マウント方式 | ゲーミング特化Surroundガスケットマウント | |||
ドライバソフトウェア | ウェブソフト 日本語対応 | |||
価格 | ¥31,500(税込) | ¥33,000(税込) | ¥33,500(税込) | ¥35,000(税込) |
まとめ
ラピッドトリガー0.01mm~(0.005mm単位での調節可)で、完全にゲーミングに最適化されたWOBKEY Rainy75 HE/RTはいかがでしたでしょうか?メカニカル版もそうでしたが、Rainy75はボディや構造へのこだわりが非常に強く、限界性能と打鍵感を追求した作りになっていました。ゲーミング性能トップクラスで、対応スイッチなど今後もアップデートされていくと思いますし、Webドライバーもシンプルで使いやすく、ラピトリキーボードとして間違いない製品です。
WOBKEY Rainy75、本当に素晴らしいキーボードです。2024年はメカニカル・ラピトリともにRainy75がキーボード界隈の話題の中心になった1年だと思います。業界のスタンダードを牽引していると言っても過言ではありません。メカニカル版、ラピトリ版ときたら、次は何が出るのでしょうか?Crush80のように大きくなるのか、それとも小さくなるのか?薄くなるのか?バージョンアップするのか?楽しみに待ちたいと思います。
最後に、メカニカル版の時のように、数カ月したら他メーカーでも同じようなキーボードを出す可能性も否めないところです。ラピトリだと簡単にはいかないと思いますが、どうなんでしょう?出来る限り安いものの方が良いという考えもわかりますが、サポート面も含めて日本正規代理店から購入したほうが確実に安心なので、ラピトリキーボードの購入を検討している方は、ぜひKIBU SHOPへ!
WOBKEY Rainy 75 HE/RT
ラピトリキーボード
価格:¥31,500~¥35,000
12月上旬~中旬から順次発送予定
配送:【日本国内発送】日本国内発送は無料
※詳しくは公式サイトにてご確認ください。
KIBUSHOPにて500台先行予約となります。
2000円引きクーポンコード:RAINY75GAMING