今回紹介するキーボードは「CIDOO QK61 V2」ABS樹脂ケース60%コンパクトでQMK/VIA対応のメカニカルキーボードです。発売当初から若干アップデートしたようで現在はバージョン2として販売されています。他のレビューのためにCIDOO公式ECサイトで買い物する用事があり、少しCIDOOのキーボードを見て回っていたところ、丁度セールをしていて6400円(通常価格7800円)で購入しました。CIDOO QK61 V2はEpomakerでも取り扱っていて、セールで$49(通常価格$59)となっています。
CIDOO QK61 V2は、GMK61がベースとなっていて、CIDOOの方でキーキャップ・キースイッチをセットアップして販売されているようです。またGMKと言えば、GMK67もコスパ最強と言われていて人気がありました。CIDOO QK61 V2は、その60%レイアウト版でデザインも進化しているモデルです。
そして、この価格帯のキーボードでQMK/VIA対応している点が素晴らしいです。以前レビューしたAULA F65でさえ専用のEpomakerドライバーだったので、CIDOO QK61 V2は流石としか言いようがありません。しかも3モード(有線, 2.4GHzワイヤレス, Bluetooth 5.0)接続にも対応しています。※日本国内においては技適認証されていないようなので有線での使用となります。
打鍵感・打鍵音は公式サイトに「Thocky-Poppy Typing Experience」と表現されています。英語だと雰囲気がつかめませんが、訳すと弾けるような軽快さとコトコト系で厚みのあるタイピング体験といったところでしょうか。実際にタイピングした様子をYouTubeチャンネルの方で動画を準備しています。公開したら本レビューページにも追加しますのでお楽しみに。
CIDOO QK61 V2
価格:$59(セール時$49)
配送: 標準配送はほとんどの国/地域で送料無料
※詳しくは公式サイトにてご確認ください。
Epomaker公式サイト用クーポンコード
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V1とV2の違い
私が購入しようとした時には、まだV1というか無印バージョンだったのですが、しばらく経っても発送メールが届かないので、心配になってサポートにメールを送ったところ「在庫切れで入荷までしばらくお待ちください」という感じだったのですが、そこから数日後に「V1は廃盤になり、V2にバージョンアップしたのでどうしますか?」というメールが届きました。運よく?V2を購入できました。そのメールの案内の中に違いが書かれていたので、それを元にまとめました。
- キーキャップのフォントをGMKフォントに更新
- 入力遅延/キー遅延/キーのデバウンス時間を短縮
キーキャップフォントが少し太くなって視認性が良くなったようです。画像で見る限りあまり変わっていないような気もしますが…。スペースバーにラインが入っていましたが、V2ではなくなっていました。また入力遅延については、ポーリングレートなどが公開されていないため、詳しいところはわかりません。
違いはこの2点ですが、V1とV2で気を付けないといけない部分としては、ファームウェアアップデートやJSONファイルをダウンロードする際に、 バージョンをしっかり確認しておかないとマズいことになりそうです。CIDOO公式サイトの方ではダウンロードファイルにV2と表記されているので、そちらでダウンロードすることをオススメします。
外観デザイン・内部構造
CIDOO QK61 V2のケース素材はABS樹脂製で、ホワイトとブラックの2色のカラバリになっています。ブラックは少し半透明なケースになっているようで、そちらも気になったのですが、後々キーキャップ交換する際のことを考えてホワイトを購入しました。アリエクで見る限り、GMK61のホワイトモデルは、ボトムケースもホワイトのようですが、CIDOO QK61 V2のホワイトはボトムがブラックになっています。正直ケースデザインはチープな雰囲気なので、この2色構成のお陰でお洒落度がアップしていてお気に入りポイントです。また、背面にはキックスタンドが付いていて、閉じた状態も含め3段階のタイピング角度調整が可能です。コンパクトなキーボードにはあまり付いていない傾向があるので、CIDOO QK61 V2は幅広いユーザー層にマッチすると思います。
60%コンパクトサイズで「寸法(実測) 300 x 117 x 39.5mm」「重さ(実測) 624g」となっています。このサイズ感であれば、気軽にバックパックに入れて持ち運びできると思います。
内部構造としては、PC(ポリカーボネート)素材のキープレートにガスケット構造。プレートマウントのスタビライザーもしっかりと潤滑されていて金属反響もありません。そして、サンドイッチフォーム、PETサウンドフィルム、IXPEスイッチパッド、ボトムフォーム、シリコンパッドなど、5層の静音フォームとなっています。
最近は5層になっていることが当たり前になっていて、しっかりと不要なノイズが取り除かれるようになっています。また、ABS筐体キーボードではボトムシリコンパッドが採用されていることがありますが、こちらの有無でだいぶ変わってくる印象があります。以前レビューしたAULA FシリーズやGem80などでも採用されていました。
キーキャップ
キーキャップ形状はCherryプロファイル。素材が2種類使われていて、ESC・ENTERキーが透明PC素材。その他はダブルショットPBT素材となっています。キーキャップの厚みを実測したところ、ダブルショット「Jキー、ESCキー」14mm、PC「ESCキー」13mmとなっていました。少し薄めになっていますが、安価なキーボードとは思えないクオリティの高さです。ESCとENTERキーだけ透明なところも、ちょっとお洒落な雰囲気かつ手触りが違うので押し間違い防止になりそうです。この2つのキーは、替えキーキャップで透過しないタイプのものが付属しています。また、V2で刻印の仕様が変更になっていて、GMKフォントを採用していて、少し太めになって視認性があがっているとのこと。
CIDOO QK61 V2は、60%レイアウトで矢印キーがないので、Fnキーとのコンビネーションで使用することになります。以下、矢印キーを使うための組み合わせです。
- 上)Fn + /
- 左)Fn + 右Alt
- 下)Fn + 右App
- 右)Fn + 右Ctrl
Windowsの場合は、VIAのレイヤー2を編集することで設定変更可能になっています。VIAについては最後の方でまとめて解説します。
キースイッチ(CIDOO Pearl Whiteスイッチ)
キースイッチは、CIDOO Pearl Whiteスイッチとなっています。こちらはCIDOO V98にも採用されているスイッチで、トップハウジングが半透明の乳白色で、バックライトの光がフワッと拡散されるため見た目もキレイなスイッチです。作動フォース40±5gfの軽めのリニアスイッチで、パールホワイトという名のとおり、ノイズレスでキレイなサウンドになっています。
名称 | CIDOO Pearl Whiteスイッチ |
---|---|
スイッチタイプ | リニア |
ピン | 5ピン |
潤滑 | ルブ済み |
素材 | PC&PA66ハウジング, POMステム |
作動フォース | 40 ± 5gf |
ボトムフォース | 45 ± 5gf |
プリトラベル | 2.0 ± 0.3mm |
総トラベル | 3.6 ± 0.2mm |
耐久性 | オーバー500,000,000キーストローク |
打鍵感・打鍵音
ガスケット構造のPCプレートはフレックスカットされていないソリッドプレートなので、硬質で少し音が大きいように感じます。ABS樹脂ケースながらも5層の音響フォームにより、しっかりと吸音されているため、変な反響音はなくクリアな音になっています。実際にタイピングしていると、厚みのある深い音というよりは、ハイピッチで硬質なコトコト系という感じがします(人によっては若干コツコツ系と感じるかもしれません)。また、スタビライザーもしっかりと潤滑されていてスムーズで、非常にクリアな打鍵音になっています。
打鍵感は、40±5gfのパールホワイトスイッチが丁度良い軽さでスムーズ。底打ち時の衝撃は少し跳ね返ってくる感じがあります。ガスケット+ソリッドプレート+コンパクトなボディということも影響しているのかもしれません。ただ、そこまで気になるような感じはありません。全体的に均一で安定したタイピング感覚のため、正確なタイピングがしたい方に向いていると感じました。
60%キーボードはゲーミング用途に使いやすそうだと感じますが、このCIDOO QK61 V2の打鍵音・打鍵感は、プログラマーやライター、一般的な仕事用途の方にもマッチすると感じました。矢印キーのコンビネーションだけ慣れる必要はありますが、コンパクトなサイズ感でデスクもすっきり、マウス操作が快適になります。会社のデスクは狭いことが多いので、ビジネス用途にこそオススメしたいです。
QMK/VIAについて
CIDOO QK61 V2は、QMK/VIA対応しているので、キーリマップなど簡単に設定することが可能です。本記事ではブラウザアプリのusevia.app を使用して設定します。まずは、CIDOO公式サイトからJSONファイルをダウンロードして準備しておきましょう。
※CIDOO公式サイトではV1とV2の両方がダウンロードできるので、間違えないようにダウンロードしましょう。
- usevia.app にアクセス
- 上のナビメニューアイコンから「DESIGN」画面に進み、ダウンロードしたJSONファイルをロード
- 「CONFIGURE」画面に戻り「Authorize device」ボタンからCIDOO QK61を接続
これで接続が完了すると以下のような画面に切り替わり、キーマップの変更やマクロなど設定可能になります。また、一度設定したものは即時反映されるので保存しなくても大丈夫です。なお、VIAで設定したものは、他のPCに接続した際も同じ設定で使用できます。
レイヤーは0から3まであります。レイヤー0はWindows、レイヤー1はMac、レイヤー2はWindowのコンビネーション用、レイヤー3はMacのコンビネーション用となっています。WindowsとMacの切り替えは「WIN: Fn + A」「MAC: Fn + S」となっています。
左右のALTにAnyキーのMOD-TAPで無変換・変換を設定してみたところ、きちんと動作していました。この価格帯のキーボードでMOD-TAPに対応しているのは正直驚きました。そのほかSPECIALとして様々なキー設定が可能です。
こちらはレイヤー2のデフォルト状態。あまりここを弄りすぎると面倒なことになりそうなので、よくわからない部分は手をつけない方が無難です。
左下メニュー「Load+Save」であらかじめレイヤー設定を保存しておくことで、リセットをかけたりした後に設定を戻すことが出来るので、ある程度設定したら念のため保存しておきましょう。リセットしたい場合は、Fn+Backspaceを3秒長押しでファクトリーリセットできます。
スペック一覧
ブランド | CIDOO |
---|---|
モデル | QK61 V2 |
レイアウト | 60% |
接続方式 | Type-C有線, Bluetooth, 2.4Gワイヤレス |
バッテリー | 3000mAh |
キーキャップ | Cherryプロファイル ダブルショットPBT、透明PCキーキャップ×2 |
プレート素材 | ポリカーボネート(PC) |
構造 | ガスケットマウント |
スタビライザー | プレートマウントスタビライザー(ルブ済み) |
ホットスワップ | 対応(3ピン & 5ピン) |
RGB | 南向きLED |
サイズ(実測) | 約300 x 117 x 39.5mm(キーキャップ含む高さ) ケース後方 約32mm ケース前方 約21.5mm |
重さ(実測) | 624g (キースイッチ交換後の計測のため参考までに) |
パッケージ | キーボード本体*1 USB Type-A to Cケーブル*1 交換用キーキャップ*2 キーキャップ/キースイッチプーラー*1 取扱説明書*1 |
あまり細かいスペックが公開されていないため不明点もあります。こちらには公式サイトに掲載されている内容と実測したサイズ・重さを掲載しています。
まとめ
CIDOO QK61 V2は、打鍵音・打鍵感が素晴らしく、QMK/VIAにも対応していて、Epomakerのセール価格$49(AmazonではMechLandsが取り扱っていて10949円)で購入できます。まさに「コスパ最強」と言ったところ。技適認証取得されれば神キーボード決定でした。CIDOOは技適取得している機種もあるので頑張って欲しいところですが、GMKベースなので難しそうですよね。
前回レビューしたEPOMAKER x AULA F65も神キーボードまでもう一歩というところでしたが、現在発売されている65%以下レイアウトのABSキーボードでは、AULA F65とCIDOO QK61 V2の2機種がイチ推しです。矢印キーや右サイドキー(Delete, PU, PD, Home, Endなど)がない、よりコンパクトなレイアウトのキーボードを探している方は、CIDOO QK61 V2をチェックしてみてください。
以上、CIDOO QK61 V2のレビューでした。また次のレビューでお会いしましょう。
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