キーキャップは、キーボードを構成する重要な要素です。まず第一にデザイン性に大きく左右し、キーキャップを変えるだけで、雰囲気がガラッと変わり新鮮な気持ちになります。そして、素材やプロファイル(形状)によって、打鍵感や打鍵音も大きく変わります。キーキャップは、キーボードを使う上で一番触るパーツで、長い間使っていると印字が擦れてしまうこともあるので、素材や印字が重要になります。
キーキャップには、JIS(日本語)配列とUS(英語)配列があります。私は元々JIS配列を使っていましたが、Macを使い始めてから、US配列のキーボードを使うようになりました。エンジニア系の方や英語をよく使う方は、記号配列の関係でUS配列の方が使いやすいと思います。逆に、日本語入力が多く、「かな入力」を使っている方は、JIS配列(かな印字あり)のキーキャップでないと厳しいかなと思います。ただ、キーキャップを色々と選んでいると、JIS(日本語)配列よりUS(英語)配列のキーキャップのほうが圧倒的に種類が多く、選択の幅が増えるので、「かな入力」を使っていないのであれば、US配列をオススメします。
キー配列の観点から考えると、ノートパソコンもUS配列を選んだ方が良いと思います。Macは注文時にJIS配列とUS配列どちらか選択できますが、Windowsの場合、LenovoやVAIOであればキー配列を選択できるモデルもありますが、他PCメーカーでは、一部のハイエンドモデルでしかUS配列を選択できないので、以下の記事を参考にしてください。
キーキャップの素材について
PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)
工業用プラスチックの一種であり、キーキャップの素材として広く使用されています。PBTは耐熱性、耐久性、化学的安定性、耐摩耗性などの優れた特性を持ち、キーキャップの製造に適しています。PBTキーキャップは、素材の堅牢性や重厚感があり、高品質な打鍵感が得られるため、メカニカルキーボードユーザーに一番好まれ選択されています。
ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)
耐衝撃性や加工しやすさ、低コストなどの特性から一般的に使用されているプラスティック素材です。ただし、耐摩耗性がやや低いため、長期間の使用において文字や記号が削れることがあります。このため、耐久性を重視するのであれば、PBT素材の方が良いでしょう。ただ、滑りやすい感触の方が好みの場合は、ABSを選択する場合もあります。
PC(ポリカーボネート)
PBTやABS以外にも、PCが使われることもあります。特にポリカーボネートは、透明な素材のため、光を透過させたいキーキャップで使われることがあります。
キーキャップの印字について
2色形成(Double-Shot/ダブルショット)
2つの異なるPBTプラスチック層を使ってキーキャップを作成し、文字や記号などのデザインが一つのキーキャップ内に二重の層として成形されます。これにより、キーキャップの表面に文字やデザインが刻まれ、それが深みを持って浮き出て見える効果が得られます。そのため、非常に耐久性が高く、文字が削れにくいことから、メカニカルキーボードユーザーから人気があります。
昇華印刷(Dye-Sub/ダイサブ)
昇華印刷は、特殊なインクを使用し、高温と圧力の環境下でインクを気体に変換させ、それが材料表面に吸収される過程を経ます。この過程によって、デザインが材料の表面に浸透し、耐久性・耐摩耗性が向上します。特に細部のデザインが重要な製品において好まれる印刷技術の一つです。
キーキャップのプロファイルについて
キーキャップのプロファイルは、キーキャップの形状や傾斜によって決まります。基準となるしっかりとした規格が定まっていないため、同じプロファイルでもメーカーによって、形状やサイズが若干違う場合があります。キーピッチについては、ほとんどが19mmとなっていますが、多少前後することもあります。そのため、上のプロファイル比較画像は、イメージしやすいように一例として掲載しています。
その中でも、Cherryプロファイルは、CHERRY社製キーボードに使用しているキーキャップ形状で、最もクラシックなプロファイルなので、多くのキーボードメーカーで採用されています。
プロファイルは、タイピングの快適さや打鍵感などに影響を与えるため、自分が打ちやすいと感じるプロファイルを見つけるまでに、色々と試してみる必要があります。個人的には、元々MacbookやApple Magic Keybordを使っていたこともあり、フラットな形状のXDAや、NuPhyロープロファイルのnSAプロファイルが好きですが、色々なキーボードを使ってみたところ、結局のところCherryプロファイルが一番しっくりきています。
NuPhyキーキャップの紹介
Gem mSA Double-shot PBT Keycaps
2024年2月18日までプレオーダーのNuPhy Gem80のリリースで登場した、「Gem mSA Double-shot PBT Keycaps」。商品名にあるとおり、「mSA」というプロファイルを採用しています。Nuphyの設計理論に基づいた、独自のハイプロファイルです。人間工学をより高めるために「SAプロファイル」の高さを少し調整し、より大きな丸い表面と対称的なデザインは nSA を彷彿とさせます。指を置く上面の面積が広いため、安定感のあるキータッチになるのではないでしょうか。(実際に使ってみたらレビューします)
プレオーダーで注文したGem80が3月2日に届きました。Cosmic Mochaを購入しましたが、可愛らしいカラーリングですが、落ち着いた雰囲気で結構お気に入りです。キーの表面は見るからに広くて、ダブルショットPBTなので触り心地も良く、実際に使ってみたところ、安定感があってタイピングしやすいキーキャップです。Cherryプロファイルに慣れているので、少しキーの高さが気になってはいたんですが、実際にはそこまで気にならないというか、むしろタイピングしてる感が強くて楽しいです。この高さのあるキーキャップだからこそ、キレイな打鍵音になっていると感じました。
キーボードは今回見送る方でも、キーキャップだけの購入もありだと思います。キーキャップ単体は$34なので、ダブルショットPRBにしては安いと思いますので、個人的にBlackを追加で購入したいなと考えています。
そのほか、Gem80の発売と共に発表されたハーブシリーズのMintキースイッチは、予想以上に柔らかい感触で打ちやすいです。若干Gateron Jupiterスイッチに似た雰囲気がありました。ただ、Raspberryは、プリトラベルが1.2±0.3mmとなっており、触って分かるくらい浅く出来ていました。YouTube等の実機レビューを見ると、Raspberryが一番打鍵音が良いように聞こえますが、この浅さはゲームや高速タイピング用途に向いていると思うので、購入する際には気を付けたほうが良いです。
カラーもGem80に合わせたテーマキーキャップとなっていて、5色展開されているカラーパターンがキレイです。また、ホーミングバーという「F, J, 5, ↑」だけ発光するキーキャップとなっていてお洒落です。
ちなみに、Haloシリーズ(Halo65・Halo75・Halo96)で採用されているキーキャップのプロファイルは、Cherryプロファイルをベースに少し丸みを持たせた感じになっています。別売の「Shine-through PC Keycaps」は、丸みが軽くなっている通常のCherryプロファイルに近い形状になっています。LEDが透過するタイプなので、珍しくPC素材で軽やかなキータッチになっています。
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KeyTok Y2K KDA Dye-sub PBT Keycaps
NuPhy Gem80のプレオーダーと同時期に発売した「KeyTok Y2K KDA Dye-sub PBT Keycaps」。こちらはNuPhyオリジナルではなく、KeyTok社のキーキャップです。なぜKeyTokのキーキャップをNuPhyで取り扱っているかというと、HaloシリーズのゴーストバーをKeyTok×NuPhyとしてコラボリリースしたり、 Field75のキーキャップを発売した経緯があるからだと思います。
keytok が開発した KDA プロファイルには、1 行目から 5 行目まで個別に調整された高さが含まれています。勾配分布を形成するように人間工学に基づいて設計されたこのプロファイルにより、より良いタイピング体験とより高いタイピング効率が実現します。 KDA の丸い角は、鋭い角の視覚的な不快感をより流線型の外観に置き換え、その表面の曲線が指との密着性を維持するのに役立ち、タッチに滑らかさと快適さを加えます。
デザインは、Y2Kという商品名のとおり、2000年代前後にトレンドとなったファッションやカルチャーのことで、平成ギャル文化の象徴のようなデザインとなっています。平たく言うと、レトロポップでファインシーな感じでしょうか?3つのカラーを並べると、なんだかチュッパチャプスのようです。
nSA(Airシリーズ)
ロープロファイルnSAは、初代Airシリーズから採用されていて、NuPhyが独自に設計した、世界初の超薄型PBTキーキャップです。キーキャップの高さは全て同じ(フラット)になっていますが、形状と機能の両方を考慮し、人間工学に基づいた厚さ4.6mmの球面キーキャップデザインとなっています。
初代AirシリーズはPBT素材となっていますが、Air V2シリーズからはダブルショットPBTに素材を変更しています。どちらも使ったことがありますが、ダブルショットPBTの方が、素材の質感や肌触りが上品になっていて、厚みのある打鍵感になっています。また、こちらは「nSA Shine-through キーキャップ」のほか、「COAST Dawn nSA Dye-sub PBTキーキャップ」や「COAST Twilight nSA Dye-sub PBTキーキャップ」もあり、アレンジして楽しむことができます。
また、Airシリーズは、薄型軽量モデルなので、「外出先でもメカニカルキーボードを使いたい」というユーザーにオススメです。
※画像はNuPhy公式サイトより
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