今回はメカニカルキーボードのキースイッチの交換方法を紹介します。キースイッチやキーキャップの種類によっても打鍵感や打鍵音が変わります。茶軸(タクタイル)を使っているけど赤軸(リニア)にしたいとか、ストロークの深さ、反応速度の速くしたいなど、ホットスワップ対応のメカニカルキーボードであれば、軸交換をすることも楽しみの1つだと思います。キースイッチ交換は、慣れれば簡単なので紹介するまでもないと思いますが、各作業ごとに注意点もあるので、備忘録程度にまとめておきたいと思います。
また、キースイッチを交換する際には、ピンを折ってしまうことがあるので、念のため予備のキースイッチを用意しておく良いです。110個入だったり、90個入となっている場合は、余るので心配ありませんが、元々ついていたキースイッチに戻す際には、余分なキースイッチがないので、慎重に作業したほうが良いです。
交換に必要な道具を用意する
キーキャッププラーとキースイッチプラー
左)キースイッチプラー、中央)一体型、右)キーキャッププラー
キーボードに付属してくるもので十分ですが、キーボードによってはスイッチが硬くて抜けづらいものもあります。付属のものだとグリップが滑りやすかったり、力が入りにくい場合もあるので、Amazonで販売されているメンテナンスツールセットなどグリップのしっかりしているものがあると助かります。
ハンディクリーナー・刷毛
普段はそんなにキースイッチを外す機会もないと思いますので、この機会に一緒に掃除しておきましょう。
ウエットティッシュ・綿棒・ニトリル手袋など
キースイッチの潤滑剤やスタビライザーのグリスが、キーボード本体についてしまうことがあるので、この3点も準備しておきましょう。
おすすめ便利アイテム
キーキャップを外す
キーキャッププラーの輪っか状になっている部分を差し込み、キーキャップを引き抜きます。まれに思わぬ方向に力が入ったり、擦れてしまってキーキャップに傷をつけてしまうことがあるので、簡単な作業ですが注意して引き抜きましょう。
キーキャッププラーの大きさによっては、両サイドがっちり持ち上げることもできますが、大抵少し幅が足りないので、斜めに傾けて対角の角を引き上げる感じになります。
※キーボードを複数持っていれば大丈夫ですが、キーキャップを取り付ける際にキー配列が分からなくならないように、外す前に写真を撮っておくと便利です。
キースイッチを外す
キーキャップを外したら、キースイッチを外していきます。ホットスワップ対応キーボードの場合は、半田付けされていないので、キースイッチプラーで取り外すことが可能です。
キースイッチを外す際には、上記2枚の画像の赤丸で囲んでいる爪の部分(両サイドにある)をキースイッチプラーでつかみます。この爪の部分を押し込まないと、力ずくで引っこ抜く形になってしまうので、破損してしまうこともあるので気を付けましょう。
基本的には、爪をしっかり掴めたら、キースイッチを真上に引き抜きます。通常少しの力で簡単に引き抜けますが、キーボードプレートの種類によって、まれに固い場合もあります。あまり力を入れすぎると、キースイッチに傷が付いたり、破損してしまうこともあるので、上下左右に少しずらすようにすると抜けやすくなります。
上記画像で使っているキースイッチプラーは、付属のものではないんですが、ビニール素材で滑りにくくてしっかりつかめるので、普段はこちらを使っています。ただ、最上下段の場合は、干渉してしまって使えないこともあるので、そんな時には窪みのあるキースイッチプラー(1枚目の画像)を使うようにしましょう。
軽くクリーニングする
上記画像は、デモなので3つしか外していませんが、全てのキースイッチを外したら、この機会に清掃しておきましょう。私はいつもキーボードを逆さに持ち上げて、刷毛で軽くブラッシングする程度ですが、ハンディクリーナーでホコリやゴミを綺麗に吸い取って、拭き掃除もしておけば100点だと思います。
キースイッチを取り付ける
キースイッチを取り付ける場合は、ピンの位置に気を付けるようにしてください。上記画像で番号を振っているようにピンと差込口が対になっているので、ピンの位置に気を付けて取り付けていきます。数が多く単純作業になるので、ピンの位置がずれたり上下反対につけてしまうこともあります。かみ合っていない状態だと、指で押し込んだ時に若干抵抗があるので、すぐに力を抜いて確認しましょう。
「ピンの位置を確認
軽くはめてかみ合っていることを確認 指で軽く押し込む」という流れです。キーキャップを取り付ける
キーキャップの配置を間違えないように、1つずつ取り付けていきます。はじめに撮っておいた写真を確認しながら間違わないように取り付けましょう。デスクが広い場合は、あらかじめ外したキーキャップをきれいに並べておくのが一番作業しやすいです。
また、スペースやエンターは、スタビライザーにもしっかりハマるように、押さえながら取り付けましょう。きちんとハマっていない場合は、少し浮いていたり打鍵音が変わるので気づくと思います。
キースイッチのピンが折れてしまったら…
キースイッチ交換をしていると、稀にピンを折ってしまうことがあります。根元から折れることもあれば、中央から折れることもあります。ただ、ピンが完全に折れて外れてしまっている場合はどうしようもありませんが、下の写真のように曲がったくらいであれば、真っすぐに戻して、きちんと差し込むことができれば大丈夫です。
先細のラジオペンチでも最初の持ち上げが難しかったり、力を入れすぎて完全に折ってしまう場合があるので、最初は精密用の長細型ピンセットで隙間を作って、少し持ち上げるような感じにします。最後に真っすぐに整える際には、そのまま精密ピンセットで真っすぐにすることもできますが、長細いペンチの方が整えやすいかもしれません。
ペンチやピンセットはダイソーで売っているようなものでも全く問題ないです。注意点としては、力の入れすぎで完全に折ってしまう事なので、慎重に作業したほうが良いです。
まとめ
パソコンや周辺機器は単なる仕事道具と考えていたので、基本的にカスタマイズの必要のない既製品を使って、消耗したら買い替えという事を繰り返していました。もちろん精密すぎてカスタマイズできないものもありますが、PCやキーボードはそんなに複雑な作りではないので、一度分解・組み立てを経験して、各パーツの役割を把握すれば、意外と誰でもできる領域なのかなと思います。
各作業で注意点がありますが、そこさえしっかり押さえれば、キースイッチとキーキャップ交換は本当に簡単な作業です。単純作業で時間もかかりますが、ホットスワップ対応のメカニカルキーボードのメリットの1つなので、どんどんカスタマイズして楽しみましょう。さらに、キースイッチやスタビライザーのメンテナンス(ルブ)をすることで、心地良い打鍵感・打鍵音を保つこともできるので、時間があればチャレンジしてみましょう。
【番外編】キーボードのメンテナンス(ルブ)に便利なアイテム紹介
\ 粘度は中くらいのグリス。スイッチには万能に使えるが、スタビライザーに使用するほどの粘り気はない。 /
\ スプリングに使えるオイルタイプ /
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