ホットスワップ対応キーボードを使っていると、キースイッチやキーキャップを交換して色々と使ってみたくなるものですが、メーカーや種類が多くて、結局何が良いのかわからなくなってしまうので、少しまとめてみようと思います。この記事ではメカニカルスイッチをまとめています。
キースイッチの構造
キースイッチの一般的な構造は、プラスチック製のハウジング(ケース)の中に、ステム(軸)とスプリング、金属の接点という形で構成されています。キーを押すと、ステムが下がり、金属の接点が閉じることで電気的な信号が発生し入力されます。
上記画像はGateron G Pro Redなので、3ピンとなっています。3ピンの他に5ピンの物もあるので、互換性に注意してください。キーボードのプリント回路基盤(PCB: Printed Circuit Board)が3ピンのみの場合は5ピンをつけることはできません。
こちらのページの商品下部に構造がわかりやすく解説されています。
- ハウジング(ケース)
キースイッチの外部のプラスチックやメタルのケース。キーキャップを支え、スイッチ全体を包み込んでいます。ボトムとアッパーに分かれています。 - ステム(軸)
キーを押すときに上下に動く部分。ステムには、キーキャップを取り付ける突起部分があります。ステムの形状や特性によって、キースイッチのタイプが異なります。 - スプリング
キーを押したときに元の位置に戻すためのスプリング。バネの硬さや重さは、キースイッチの感触に影響を与えます。 - 接点
金属の接点が閉じることで電気的な信号が発生します。
メカニカルスイッチは、一つひとつが独立したスイッチなので、一つのキーが押した場合に他のキーには影響を与えないため、信頼性の高い入力ができます。また、メンブレン方式やパンタグラフ方式に比べて耐久性が高く、メンテナンスしながら使えば寿命も長いのが特徴です。ただし、打鍵音が大きいとかキーストロークが長いなどのデメリットもあります。
私だけなのかわかりませんが、メカニカルの説明を調べていると、チャタリングが起きやすいようなことが書かれています。個人的な感覚としては、パンタグラフでしか経験したことがありません。それにきちんとメンテナンスしていれば起こりにくいと思います。
軸の種類
軸の種類によって、キースイッチを押下した時の感覚の違い、いわゆる打鍵感の違いがあります。この軸について細かく説明すると、結構な種類が存在しますが、ここでは一般的な軸を紹介したいと思います。
赤軸(Red)
リニアスイッチといって、キーを押すと滑らかに底までいきます。クリック感やタクタイルな感覚がなく、特にゲーム向けのキーボードで人気があります。
茶軸(Brown)
タクタイルスイッチで、キーを押すと一定の抵抗があり、押し込むとわかりやすいクリック感があります。タイピングやゲームに向いています。
青軸(Blue)
クリッキースイッチで、キーを押すとクリック感とともに音が鳴ります。主にタイピングに使用され、キーストロークが分かりやすい特徴があります。
銀軸(Silver)
基本的には赤軸と同じくリニアスイッチですが、作動距離(アクチュエーションポイント)が低く、リピートレートも高いので、素早い入力が可能になっています。
リニアは種類が多く、上記赤軸・銀軸以外にブラック(重めでしっかり打ち込むタイプで跳ね返りも強い)、イエロー(中間タイプ)、ホワイト(軽めのタイプで反発力も弱い)などがあります。他にも静音タイプのミルキー(クリーム)だったり、リニア以外にも用途・好みに合わせて様々な種類が存在します。
主なメーカー
全て紹介することはできないので、主要メーカーのみ紹介したいと思います
CHERRY
Cherry(チェリー)は、ドイツに本社を置く、キーボードのキースイッチなどを製造する企業。Cherry MXシリーズは特に広く知られ、多くのメカニカルキーボードメーカーに採用されています。Cherryのキースイッチは、ゲーマーやプロフェッショナルユーザーなど、幅広いユーザーベースに支持されています。
GATERON
Gateron(ゲートロン/ガテロン)は、中国に本拠地を置くメカニカルキーボードのキースイッチメーカーです。Gateronは、Cherry MXスイッチに似た形状と動作を持つメカニカルキースイッチを製造しています。さまざまな色と特性(赤軸、青軸、茶軸など)があり、これによりユーザーは自分の好みに合ったキーボードを選択できます。また、様々なキーボードメーカーと提携し、自社ブランドの他にOEM(Original Equipment Manufacturer)製品も提供しています。価格と性能のバランスも良く、比較的手頃な価格で提供されており、同時に良好な性能を備えています。
Kailh
Kailh(カイル)は、中国のメカニカルキーボードのキースイッチメーカーで、主にメカニカルキーボードメーカーやOEM向けにキースイッチを供給しています。これにより、多くのメカニカルキーボードでKailhスイッチが見られます。Kailhは新しい技術やデザインを積極的に取り入れ、競争の激しいメカニカルキースイッチ市場で存在感を示しています。耐久性やキータッチの応答性において、他の主要なメーカーと競り合っています。
Akko
Akko(アッコ)は、2016年に中国の深圳に設立された、メカニカルキーボードおよびキーボードアクセサリーのブランドです。Akkoの製品は、鮮やかな色彩や独創的なデザインが特徴です。キーボード本体やキーキャップにおいて、特定のテーマやアートワークを採用した製品が多く、これがAkkoの製品を他と区別する要因となっています。また、別ブランドとしてMonsgeekを展開していて、M1など人気のキーボードを輩出しています。